皮膚科 学会・セミナー参加ブログ

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2022.05.24

【第25回日本獣医皮膚科学会学術大会】その1

こんにちは。副院長の飯田です。

 

先日、第25回日本獣医皮膚科学会学術大会に参加してきました!

 

今回の学術大会は東京の会場をで行われましたが、まだコロナ禍の最中のため会場をオンライン中継で繋いでくれて自宅でも視聴できるハイブリッド方式での開催となりました。

 

そのため今回私は名古屋の自宅からオンライン中継での参加にしました!

 

イマドキの学会やセミナーはwebでの開催がほとんどですが、会場での「勉強するぞ!」という熱気を感じることができない反面、移動時間の削減ができたり今まで参加することができなかった会にも出られるようになったりとメリットもとても多いと感じます!

 

ちなみに今年の学術大会のテーマは「デルマドローム」でした。

 

デルマドロームとは聞きなれない言葉だと思いますが、内臓の異常が皮膚に症状として現れることを指します。
よく皮膚は内臓の鏡と言われる所以ですね。

 

デルマドロームの原因として、

 

① クッシング症候群や甲状腺機能低下症といった内分泌疾患
② 肝皮症候群という肝臓疾患
③ 胸腺腫や精巣腫瘍、肺癌などの腫瘍性疾患

 

などが挙げられます。

 

特にクッシング症候群や甲状腺機能低下症は普段の診察でも遭遇頻度が高い病気です。

 

クッシング症候群は副腎という臓器から分泌されるコルチゾールというホルモンが過剰に分泌されて起こる病気です。
主な症状にお水を飲む量や尿量が極端に増えたり毛が薄くなり、呼吸が早くなる、お腹が張ったりするなどがあります。

 

また、甲状腺機能低下症は甲状腺の炎症などによる機能低下で甲状腺ホルモンの分泌あまり分泌されなくなってしまう病気です。
その結果、

 

毛が薄くなる
皮膚の脂が増える
体重が増える
動きが鈍くなる

 

などの症状が見られるようになります。
ちなみにゴールデンレトリーバーや柴犬、ミニチュアダックスフントなどが好発犬種と言われています。

 

これらの病気は皮膚の調子が悪いだけでなく内臓の調子にも異常をきたしてしまうため、投薬による治療が必須になります。

 

なんとなく「最近毛が薄くなってきたな〜。年だからかな?」と思っていたら実はホルモンの病気でした。なんてことがありますので侮るなかれ、注意が必要ですね。

 

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