高度画像診断(CT)科

CT

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画像診断のご案内

病気にかかった時にワンちゃんネコちゃんはどこが悪いのか会話をすることができません。
「苦しい、気持ち悪い、痛い」など、そういう時、お母さんお父さんは非常に心配になると思います。またいざ、病院に行ったとしても適切な治療をしなければその心配も解消することができません。適切な治療には適切な診断が必要不可欠です。
「適切な診断をする」ということは、画像検査の役割が非常に重要です。
近年、画像検査機器の進歩に伴い、これまでは診断が難しかった症例が適切に診断ができるようになってきています。
当院では、X線検査機器、超音波検査機器、内視鏡、CT(コンピューター断層撮影)装置等の、各種先端医療機器を活用し、適切な診断に努めております。

超音波(エコー)検査

超音波検査とは

人の耳には聞こえない音(超音波)を体にあてることにより、体内の臓器や血液の流れる様子を映し出すことができます。被曝の心配がないので繰り返し検査が可能で、ワンちゃんネコちゃんの妊娠時に胎児の様子を確認することにも用いられたりしています。

超音波検査によってわかる部位

胸部では主に心臓、腹部では、肝臓、胆嚢、腎臓、脾臓、副腎、膀胱、消化管、子宮や卵巣、前立腺や精巣、腹腔内リンパ節等の観察が可能で、無麻酔で、体内の臓器の内部構造が観察できます。

超音波

レントゲン検査

レントゲン検査とは

X線を動物の身体に照射し、X線が身体を通過する度合いの違いを画像化した検査です。
骨や臓器などの透過性の低いものは白く、肺や空気などの透過性の高いものは黒く描写されます。特に肺の病変、心臓の評価、骨折、結石(膀胱・尿管・腎)などの検出に有用です。
また、造影剤処置をすることにより泌尿器の排出経路、消化管の通過障害などの評価を行うことができます。
X線と聞いて被曝について心配されると思います。X線1回の被爆量は0.1mSv以下、CT検査で20mSv以下程度です。数字では難しいと思いますが、一回の被曝量が200mSv以上を超えなければ基本的には動物の身体に影響はありません。

レントゲン検査によってわかる部位

胸部 気管虚脱、気管支炎、肺炎、心疾患、胸水
腹部 結石(腎、膀胱、尿道、尿管)
妊娠、腹水、腎不全、腫瘍
骨折、脱臼、ヘルニア、変形性脊椎症など

内視鏡

いわゆる胃カメラです。先端にカメラがついたチューブを体内に入れることにより、消化器(口腔、食道、胃、十二指腸)の検査を行うことが可能です。
観察の他にも、病理組織検査目的の生検や異物摘出、などを行うことが出来ます。

CT装置とは

CTは、コンピューター断層撮影(Computed Tomography)の略語です。
身体のまわり360°からX線を照射して走査し、コンピュータを用いて処理することで身体の内部画像を構成し、様々な方向から体内を確認できる検査装置です。
また血管内に造影剤を投与することにより、腫瘍などの病変部位がわかりやすくなったり、血管の走行等を把握することも可能です。これらにより、レントゲン検査やエコー検査だけではわからない病態の診断や手術に必要な情報を適格に把握することができます。
当院では、2020年8月に16列のCT装置を導入しており、細かい断層画像を作成ができ、撮影時間を短縮した上で動物の負担を軽減することが可能です。

超音波

CT検査が有効な疾患

頭部 水頭症 外耳炎・中耳炎 歯科疾患
腫瘍 骨折 脳障害
(脳・鼻腔・口腔・眼窩)
意識障害 顔面の腫れ
胸部 腫瘍 肺葉捻転 気管虚脱
(肺・腫瘍の肺転移)
骨折
脊椎・脊髄 骨折 腫瘍 椎間板ヘルニア
腹部 腫瘍(肝臓・腎臓・脾臓・膵臓・副腎・膀胱・腸・リンパ節)
門脈シャント
結石(腎臓・膀胱・尿管)
異物 腸閉塞・重積 捻転(胃・腸・脾臓)
骨折

注意事項

1.CT検査は、基本的に全身麻酔です。画像検査は、撮影すればいいという訳でなく、正確な画像を描出することにより、正確な診断ができます。CT検査は数分の間ジッとしてないといけません。また呼吸をとめないといけない場合もあります。ワンちゃんネコちゃんは その動作は不可能なため基本的には麻酔をかけなければいけません。
2.また造影剤に対する副作用があります。より正確な診断を行うために造影剤を用います。造影剤の種類として副作用の少ないものを使用していますが、副作用として、稀に各臓器に対する過敏反応、腎不全、一過性の肺水腫、吐き気などの症状が見られることがあります。

CT image

実際のCT画像

症例①:肺腺癌

CT画像
CT画像

来院理由:呼吸が苦しそう
解説:呼吸がぜぇぜぇして吐きそうだけど吐けないとの主訴で来院された症例です。半年前から咳をしていて2週間前から体重も減ってきて悪化傾向にありました。胸部レントゲン検査を行ったところ、肺に顕著な異常所見が認められCT検査を実施しました。CT検査は、レントゲン検査よりも情報量が格段に多く得られます。本症例では、レントゲン検査からは、肺炎か肺腫瘍が疑われましたが、CT画像所見から、肺腺癌を強く疑う情報が得られ、その後の治療方針に役立ちました。

症例②:鼻腔内リンパ腫

CT画像
CT画像

来院理由:眉間部が腫れてきた
解説:猫の鼻腔内腫瘍の中で最も発生が多いのはリンパ腫です。腫瘍が鼻腔内を占拠することで鼻血や鼻汁、くしゃみなどの症状を示します。ほかの臓器に転移し、局所では増大し鼻腔内から脳へと浸潤すれば神経症状を示すこともあります。また、骨を破壊して外へと出てくれば顔貌を著しく変化させてしまいます。
この症例も眉間部が腫れているとのことで来院されました。CT検査にて、鼻腔内に骨融解を伴う腫瘤性病変を認め、生検を行ったところ鼻腔リンパ腫と診断されました。脳への浸潤が認めらたため緩和目的のため放射線療法と抗がん剤治療を紹介しました。

症例③:甲状腺腺癌

CT画像
CT画像

来院理由:右の犬歯が腫れている
解説:左犬歯の歯肉炎の歯科処置前にCT検査で歯根部の状態を評価しました。左上顎犬歯においては、肉眼的には歯石とりのみの処置で済みそうでしたが、CT画像では、歯槽骨の骨吸収と歯根炎による炎症産物が認められたため犬歯抜去に至りました。人と同様に動物でも、歯科処置の前に画像検査で歯の状態を把握することは重要です。
また今回偶発的に甲状腺の腫瘤性病変も確認されました。CT検査を行えば、身体のことが全て分かる訳ではありませんが、画像から得られる情報量はかなりあり、偶発的に病気の検出につながることもあります。

症例④:肝細胞癌

CT画像
CT画像

来院理由:健康診断
解説:健康診断でお腹にエコーをあてた際に偶発的に肝臓の腫瘍があることが発覚しました。CT検査と生検を実施したところ左外側左葉に限局する肝細胞癌でした。肝細胞癌の治療は外科手術が第一選択の治療となります。種類にもよりますが比較的に進行速度は緩やかで転移率や再発率も低く、完全切除が見込めれば完治する可能性もあります。この症例は、完全切除ができたため、今現在も元気に過ごしております。定期的な検査のおかげで素早く対応ができ、また切除範囲もスムーズに決断することができました。

CT検査にて診断がつく病気例

胸腔内疾患(肺転移・リンパ節のチェックなど)
腹腔内疾患(腫瘍、リンパ節、炎症、門脈など)
頭部疾患(腫瘍、鼻腔内構造や破壊像、口腔内疾患、鼓室胞病変など)
骨の疾患(骨折、形成不全など)

お問い合わせ先

動物医療センター もりやま犬と猫の病院

052-739-1299

  • 平日(火曜日を除く):9:00〜12:00、16:00〜20:00
  • 火曜日:9:00〜13:00、16:00〜20:00
  • 土日祝:9:00〜13:00、16:00〜19:00

分院:動物医療センター とよた犬と猫の病院

0565-47-1299

  • 住所:愛知県豊田市広路町1丁目1 イオンスタイル豊田1F
  • 診療時間:9:00~12:00 / 16:00~20:00(年中無休)
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