もりやまTOPICS

TOPICS

  • HOME
  • もりやまTOPICS

2021.09.15

獣医師

わかめの輪

皆様こんにちは。獣医師の安部です。

来月10月から毎年恒例の秋の健康診断キャンペーンが始まります🍁

ワンちゃん・ネコちゃんの1年は人間にとっての3〜4年に当たるため、半年に1回の検診を推奨しています。

当院では春のフィラリアチェック時の血液検査やバースデー検診、今回の秋の健康診断キャンペーンなどで病気の予防・早期発見・早期治療に力を入れております。

健康に楽しく長生きしてもらえるように全力でサポートさせていただきますので、ぜひこの機会に健康チェックしてみて下さいね。

 

 

今回はワンちゃん、ネコちゃんの輸血についてお話しようと思います。

貧血が起きた時、輸血が必要になりますが、貧血には大まかに2種類あります。1つは身体が貧血を感知して赤血球を作りはじめることができる再生性の貧血です。もう1つは赤血球産生の指令がだせなかったり、産生する場である骨髄に問題があるため赤血球を作ることができない非再生性の貧血です。

 

再生性の貧血には血液喪失(外傷、消化管出血、尿路障害、止血障害、外科手術など)、赤血球が壊れてしまう血液溶解(寄生虫、浸透圧の変化、免疫性、中毒など)があります。
非再生性の貧血には腎臓から分泌される、赤血球の産生を促すホルモンであるエリスロポエチンの減少(内分泌機能不全、甲状腺機能低下症、副腎皮質機能低下症)、慢性疾患(炎症、腫瘍)、赤血球を作る場である骨髄の損傷(薬剤・毒素による化学的因子や放射線照射による物理的因子)、骨髄で血球を作らない細胞や異常な細胞が増える骨髄癆性疾患、中毒、鉄欠乏などがあります。

 

非再生性であれば原因となる病気が治癒するあるいはコントロールできるまで貧血は進行します。再生性であったとしても一気に血液を喪失している場合は、赤血球を作るスピードが追いつかないこともあります。
どちらにせよ、自分の身体で血液を作り、維持できるようになるまでの手段として輸血があげられます。

 

ただ、輸血が必要だからといってすぐできるかというとそういうわけでもありません。
ワンちゃん、ネコちゃんは血液の保存が難しいため、事前に採血しておくことができないからです。

そのため、必要な時に必要な量の血液を供血(献血)していただいています。
当院ではわかめの輪というご好意による供血犬・供血猫の子の協力のもと輸血が成り立っています。

(わかめの輪に参加していただいている皆様ありがとうございます。)

 

輸血は沢山の人の支えがあって初めて可能となる治療法の1つです。
現在も献血にご協力いただけるワンちゃん、ネコちゃんを募集しております。

 

【ワンちゃんの条件🐶】
1.健康で体重15kg以上
2.年齢1~5歳以下
3.狂犬病ワクチン・混合ワクチンを毎年接種している
4.フィラリア、ノミダニの予防をしている
5.血液型1.1陰性
6.妊娠していない子

 

【ネコちゃんの条件🐱】
1.健康で体重4kg以上で完全室内飼育
2.年齢1~5歳以下
3.3種混合ワクチンを毎年接種している
4.FIV・FeLV陰性
5.血液型A型 or B型
6.妊娠していない子

 

これらの条件に当てはまり、協力していただける方がいましたらぜひスタッフにお声がけ下さい🌟

◎ドナー登録いただいた子には、、、

・フードサンプル詰め合わせをプレゼント
・当院オリジナルドナー登録カードをお渡し

 

◎供血にご協力いただいた子には、、、

・血液検査(生化学検査・血液型検査)を無料で実施(供血当日)
・輸血提供後、フードの供給・点滴を無料で実施
・院内の専用コーナーに感謝状を掲示(引退後、差し上げます)

 

をささやかながら、実施させていただきます🎀

 

私自身も大学生の頃は校内に献血カーが来ていたため、よく献血をしていました。
このブログを書きながら、名古屋に来て一回も献血をしていないことに気づきました。
思考を行動に起こすことは最初は大変ですが、思っているだけではなく実際に動き出してこそではないかと改めて思いました。
お伝えするばかりではなく、自分も行動に移そうと思います。

 

先代犬のワカメの名からとった助け合いの輪が広がりますように。

Copyright©もりやま犬と猫の病院 All rights reserved.