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2021.12.14

獣医師

猫ちゃんの嘔吐!これって病気のサイン?

みなさんこんにちは。
獣医師の佐々木です。
最近ますます寒くなってきましたね…。
季節の変わり目は、わんちゃん猫ちゃんも体調を崩しやすいです。

私の愛猫も、最近お腹の調子を崩して吐いてしまい、しばらく病院に通ってました🌀
今はすっかり元気です!

猫ちゃんを飼っている方はご存知の方も多いかと思いますが、猫ちゃんは吐きやすい生き物ですね。
ただ、いつもと少し様子が違う場合は「このまま様子を見ていいのかな?」「病院に行くべきかな?」と心配になるのではないでしょうか。

そこで今日は、すぐ病院に連れて行くべき嘔吐と心配の少ない嘔吐の違いを説明したいと思います。

まずはすぐに病院に連れて行くべき嘔吐の症状です。

⭐︎嘔吐の頻度が増えた
⭐︎食欲がない
⭐︎下痢をしている
⭐︎異物を誤食した
⭐︎嘔吐物に血が混じっている
⭐︎嘔吐物から異臭がする
⭐︎水を飲んだ後も吐いている
⭐︎吐こうとしているのに何も出てこない

考えられる病気としては、以下のものが挙げられます。

①腸閉塞(毛玉や異物)
おもちゃや紐、布など異物を食べてしまった場合に起こります。長毛の子は自分の毛玉が腸に詰まってしまうことも..

②中毒
玉ねぎ、チョコレート、煙草、ユリ科植物、洗剤など、猫ちゃんにとって体に害のあるものを食べてしまった時に起きます。

③胃腸炎
感染、食事、ストレスなどによって起こります。

④膵炎
膵臓で作られる消化酵素が何らかの原因で膵臓自体や周囲の臓器を消化してしまいます。悪化するといろんな臓器がダメージを受けてしまうこともある、怖い病気です。

⑤腫瘍
猫ちゃんは消化管のリンパ腫が多いです。高齢の子は特に注意が必要です。

⑥肝臓、腎臓の病気
胃や腸の病気だけではなく、肝臓や腎臓の病気が進行している場合も嘔吐症状が出ることがあります。

「嘔吐」は、さまざまな病気のサインですので、いつもと違う様子が見られた場合は病院で広く検査を受けさせることをおすすめします。

また、猫ちゃんがご飯を食べず、数日絶食状態が続いてしまうと「肝リピドーシス」という脂肪肝の状態になってしまうことがあります。
一度この状態になってしまうと死亡率が高く、治療もかなり大変です。
特に太っている子はリスクが高いので要注意です。
食欲がない場合は様子を見ず、病院に連れて来てください。

では続いて、比較的緊急性が低い嘔吐です。

⭐︎一度だけ吐いた
⭐︎元気や食欲がある
⭐︎下痢をしていない

上の状況が全て当てはまる場合は、緊急性が低いケースが多いです。

原因としては、
・一時的に胃腸の調子が悪かった
・勢いよく多量のご飯を食べてしまった
・毛玉を吐こうとした

などの可能性が考えられます。
病気ではないけど、吐き戻しが多い…なんてことも猫ちゃんはよくありますが、そんな猫ちゃんには吐き戻しを減らす工夫をしてあげる必要があります。

⭐︎食事の回数を増やす
⭐︎早食い防止のお皿を使う
⭐︎食器に高さをつける
⭐︎ブラッシングをこまめにする
⭐︎吐き戻し軽減フードを食べさせる

ちょっとした工夫をすることで、吐き戻しの回数が減ることもあるので、試してみてくださいね。

今回は猫ちゃんの嘔吐についてのお話でしたが、どうだったでしょうか?
猫ちゃんは体の不調を表に出しにくいので、気づいた時には病気が進行してしまっていることも少なくありません。
少しでも不調を感じた時はご相談下さい。
また、病気にいち早く気づけるように、当院では健康診断も行っていますので、是非活用してください🐱

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