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2024.04.03

獣医師

椎間板ヘルニアについて

こんにちは!獣医師の大平です。

 

時の流れは早いもので、桜が咲く季節となりました。

 

あたたかくなってきて、絶好のお散歩日和な日も多く、院内犬のぼうちゃんもウキウキで外をお散歩しております。

 

 

 

 

このブログを読んでくださっている方々にとって かけがえのない存在である子たちへより良い医療を提供できるよう、今年度も引き続き全力で頑張りますので、これからもよろしくお願いします!

 

さて、今回のブログのテーマは椎間板ヘルニアについてです。

 

人にもある病気ですから、この記事を読んでくださってる方々もご存知かもしれません。

 

椎間板ヘルニアとは、大まかに言うと老化や刺激によって椎間板と呼ばれる部位が変形し、脊椎の神経を圧迫してしまうことで起こる病気です。

 

ヒトとは異なり、ワンチャンは「腰が痛い!」と話すことが出来ませんが、その代わりに以下のような症状で訴えかけてくれます。

 

・ふるえ

・抱くとキャンと鳴く

・食欲不振

・元気の低下

 

どれも心配になるような症状ばかりですね。。。

 

椎間板ヘルニアはその重症度がグレードという形で分かれており、グレードに応じて治療方針も変わってきます。

 

グレード1 : 痛みのみ。問題なく歩けるが、触ると痛がり、ふるえる。

グレード2 : 痛みもあり、ふらつく。

グレード3 : 自力で起きることができない。

グレード4 : 力が入らず、自力で排尿ができない。

グレード5 : 痛みを感じなくなってしまう。

 

また、診断は基本的に除外診断(似たような症状を起こす病気を否定して、最終的に診断する)となります。

 

似たような症状を起こす病気には、

 

・胃腸炎・膵炎

・外傷

・骨折

・脱臼

・尿道閉塞

・椎間板脊椎炎

・馬尾症候群

 

などがあります。これらをしっかりと血液検査、レントゲン検査、エコー検査で除外し、診断となります。

 

 

治療には薬による内科療法と手術による外科療法があります。

 

基本的にグレード2までは内科療法により90%以上の子が良くなってくれますから、例外もありますが、お薬での治療をすすめています。

 

グレード3以降になると内科治療には反応しにくくなってしまうため、精密検査(CT・MRIによる確定診断)後に手術を提案させていただく場合が多いです。

 

また、治療中は基本的にケージの中で絶対安静を推奨しています。

 

内服薬には基本的に消炎鎮痛剤を処方します。

 

鎮痛剤にも様々な種類があり、中には痛みを抑える漢方薬やサプリメント、鍼灸治療もありますから、その子にあった薬を選択して処方させていただきます。

 

 

椎間板ヘルニアには、髄核と呼ばれる部位が石灰化し突出することで神経を圧迫するハンセン1型と、老化により椎間板が変性し脊髄を圧迫するハンセン2型があります。

 

ハンセン1型の椎間板ヘルニアはミニチュアダックスフンド、トイプードル、ビーグル、シーズー、ペギニーズ、パピヨン、ラブラドールレトリバー、ジャーマンシェパード、ロットワイヤーに多いと言われています。

 

ハンセン2型は、1型にかかりにくいワンちゃんに多いと言われています。

 

1型は、激しい運動を控えめにしたり、肥満にならないよう食事管理したり、階段の昇り降りを辞めさせたりすることで予防可能です。

 

また、これらは脱臼や骨折、内分泌疾患などの予防にも繋がりますので、是非始めてみてください!

 

では最後に、身を寄せ合っている可愛いうちの子の写真で締めさせていただきます。笑

 

左の子がルナくん、右の子がソルくんです。

 

 

実家にも両親と暮らしている愛猫がふたりおりますので、また次の機会にご紹介します!

 

皆様の最愛の子達が、1日でも長く 健やかで幸せな毎日を過ごせますように。

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