TOPICS
2024.06.13
獣医師
こんにちは!獣医師の鈴木です。
暑い時期になってきましたね。6月なのに30℃を超える日も・・・
20年以上愛知県に住んでいますが毎年暑くなるばかりです。
暑い時期に注意してもらいたいのが熱中症です。
人はもちろん熱中症になるリスクはわんちゃんねこちゃんにも同じ様にありますし、人よりもリスクが高い場合もあるので今回は熱中症についてお話したいと思います。
わんちゃんねこちゃんは人と違って汗を出す汗腺が肉球にしかありません。
そのため体温調節にはハアハアとした早い呼吸や涼しい場所や風に当たることで体を冷やし体温を調節しています。
この体温調節機能のうち呼吸で体温を下げることが苦手なのは、フレンチブルドッグやパグなどの短頭種と呼ばれる種類です。
もともと体に対する気管が細く、呼吸するときにいびきをかくような短頭種気道症候群の場合はさらに注意が必要です。
涼しい場所や風にあたることで体温を調節することが苦手なのが長毛のわんちゃんねこちゃんです。
もともと寒い地方に対応した体毛を持ち、長い毛が断熱材として機能してしまいます。
体外に熱を逃がし体温を下げることが苦手です。
追加で注意が必要なのは肥満体系や興奮しやすい場合です。
皮下脂肪が断熱材の役割をしてしまうのと、首周りの脂肪が呼吸をしづらくしてしまうので注意が必要です。
興奮してしまうと体温が上昇するため注意が必要です。
実際に熱中症になってしまった場合には、
・ハアハアと辛そうに呼吸をする
・体温が高くなる
・元気がなくなる
・吐いて下痢してしまう
より重症の場合は、
・発作を起こす
・意識がなくなる
・チアノーゼになる(舌や粘膜が紫色になる)
などの症状がみられます。
もしこのような症状を認めた場合はすぐに病院に連れてきてもらうようにしてください。
病院に着くまでの間に体温を下げるために、涼しい場所や濡れタオルなどで体温を下げ、意識がしっかりしていて水が飲めそうなら水を飲ませてあげてください。
意識がなくぐったりしている場合は無理に水を飲ませる必要はありません。
病院に着いたらすぐに体温測定や血液検査などをさせてもらい点滴や体温を下げてあげることで熱中症の治療をしていきます。
ただ、熱中症になってから治療するのではなく、予防が一番重要になってきます!
暑くなりはじめの時に注意が必要です。
夏本番ではもちろん暑さ対策をしていたがいていると思いますが、今の時期くらいから熱中症の注意が必要になります。
熱中症が発生しやすく注意するべき3つの状況をご紹介します。
① 散歩に行くのは朝早い時間や日の入りから1時間以上経過してから行くようにしましょう
散歩で興奮しやすいわんちゃんは人通りや、ほかのわんちゃんの少ないルートを選ぶことや散歩の時間も短めにしてあげることも必要です。
散歩前にアスファルトの温度を触って直接確かめてから行くことをおすすめします。
② 短時間でも車内で待たせるのもやめましょう
人でも赤ちゃんの死亡事故も発生しており、犬猫でも注意が必要です。
エアコンをつけていない車内は日光によって急激に温度が上昇します。
なるべく一緒にいてあげるようにしてください。
③ 家の中でも注意が必要です
日光のあたる部屋や閉め切った風通しの悪い部屋では気温が上昇しやすく熱中症のリスクがあります。
ゲージも直接日光に当たらないようにしましょう。また水が自由に飲めない状況も脱水から熱中症へつながるので水飲み場を複数個用意してあげましょう。
熱中症は命にかかわる危険な病気です。しっかりと暑さ対策をしていきましょう。
最後に我が家のにゃんこを紹介して終わりとさせていただきます。
隠れているつもりで頭だけかくしているシルクちゃんです。
年中無休・夜間対応