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2024.07.15

獣医師

夏の皮膚病

こんにちは。獣医師の飯田です。

 

梅雨も明けて、外に出ると汗が滴ってくる暑さになってきましたね。。

 

そんな暑い夏の皮膚病として多いのが「マラセチア皮膚炎」です。

 

 

 

皆さま「マラセチア」というのをご存知でしょうか。

 

マラセチアは皮膚表面に生息するひょうたん(ピーナッツ)のような形をした酵母様真菌(カビ)です。

 

 

※顕微鏡画像

 

カビといっても人や他のわんちゃんに感染ったりはしません。

 

普段は皮膚の常在菌として脂肪酸などの皮脂を栄養源にして生活をしていますが、

 

さまざまな原因でマラセチアの栄養源である皮脂が多い状態が続いたり、

 

皮膚の状態が悪くなったりするとマラセチアの異常増殖が起こり、

 

皮膚炎を引き起こしてしまいます。

 

これをマラセチア皮膚炎といい、皮膚の赤みや痒み、ベタつきが出て、独特なにおいを発します。

 

 

 

夏のような高温多湿な気候、

 

コッカー・スパニエル、シーズー、ビーグルなどの脂の多い犬種

 

に出やすいですが、

 

他にも犬アトピー性皮膚炎、食物アレルギー、甲状腺機能低下症などを基礎疾患として持っていると

 

マラセチア皮膚炎も発症しやすくなります。

 

 

 

治療にはマラセチア自体を倒すことも大事ですが、栄養源である脂のコントロールが最も重要になってきますので、

 

・食事管理、サプリ、運動、ストレス緩和などで脂の分泌量を減らす

 

・クレンジング、シャンプー、保湿などのスキンケアで脂を落とす

 

・薬で皮膚の炎症を抑える

 

 

・基礎疾患があればそちらのコントロールをしっかり行う

 

この辺りがポイントになってきます。

 

 

 

皮膚病はひとりひとり状態や背景が異なりますので、

 

同じマラセチア皮膚炎だからといって同じ治療をしても治らないことがよくあります。

 

それぞれのわんちゃん、ご家族に合わせた治療、ケアが必要になってきますので、

 

診察の時にご相談ください。

 

 

 

 

また、マラセチア皮膚炎はシャンプーを含めたスキンケアが重要になりますので、

 

ご自宅でシャンプーが難しい子は、ケアセンターで行なっているメディカルスキンケアコースも

 

ぜひ利用していただくと良いと思います!

 

 

 

夏に多い皮膚病をコントロールしながら、一緒に快適な夏を過ごしていきましょう!

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