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2024.08.25
動物看護師
こんにちは🐱 看護師のリアです。
9月になりましたが、暑い夏が続いていますね…☀️
猛暑だった今年の夏休みには、海や川などに遊びに行かれたのではないでしょうか💭🧊
そこで今回は動物たちとお出かけする際に注意してほしい
『レプトスピラ症』という病気についてお話します❗️🐭🦠
まず『レプトスピラ症』をご存じでしょうか。
この感染症は「レプトスピラ」という、らせん状の細菌によって引き起こされワンちゃんだけで無く人にも感染してしまう人獣共通感染症です。
Leptospira interrogatesの電子顕微鏡写真(出典:国立感染症研究所感染症情報センター 感染症発生動向調査週報)
◎感染経路◎
通常は野生のネズミなどに保菌され尿を介して環境中に排出されます。感染経路としてはその尿で汚染された水や土壌による接触感染や粘膜を介した感染、汚染された水や食品や手からの経口感染があります。
「人と動物の共通感染症に関するガイドライン」(環境省)
(https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph/infection/guideline.pdf)を加工して作成
・レプトスピラに感染しているネズミや動物への接触
・感染しているネズミや動物の尿への接触
・感染しているネズミや動物の尿で汚染された土や水への接触
これらによってワンちゃんにも移り、また感染してしまったワンちゃんやその子の尿への接触によって、人間や他の犬にも移ってしまう病気になります。
ペットが感染した場合は…❓
◎犬の症状◎
・発熱
・食欲不振、元気消失
・黄疸(歯茎などの粘膜や皮膚が黄色くなる)
・血便、黒色の便(タール便)が出る
・嘔吐
などを示し、
症状が進行し多臓器不全になる重症例も多く、死に至ることもあります。
猫の発症例はほとんど無いと言われています。
◎治療◎
細菌による感染症のため抗生剤の投与が必要になります。
また腎不全や肝不全を起こしている場合では輸液による治療も行います。
人間が感染した場合の症状は…❓
◎軽症の場合◎
・発熱 悪寒
・頭痛
・吐き気 下痢 など
◎重症の場合◎
・黄疸、出血傾向、腎機能障害、肝機能障害(これらを合わせた重症型をワイル病ともいう)など
重症の場合の致死率は最大で40%と言われています。
予防法は❓
わんちゃんを普段から下水、水田、川、泥の中、ゴミ捨て場、側溝などネズミの尿で汚染されていそうな不衛生な場所に近づけない。また、洪水が起きた後は普段歩き慣れている道でも注意が必要です。⚠️🐶
ワクチン接種により発症を防ぐことができますが、レプトスピラには多くの種類(血清型)が存在します。ワクチンとレプトスピラの種類が合っていないと効果が無いため、接種する際には何種のワクチンを打つかを獣医師と相談しましょう。
人間にはワクチンがありません。汚染されている可能性がある水に接触したり、皮膚に傷口がある場合は特に流行地域における河川でのレジャーは避ける事が重要となります。
万が一、愛犬がレプトスピラ症に感染したり、感染の疑いがある場合のお世話はどうしたらいいのか❓
わんちゃんの排泄物の取り扱いには注意が必要です。ケージ、サークル、食器、などの感染源となりうるものについてはマスクやゴム手袋を着用して感染予防をしましょう。アルコールや次亜塩素酸ナトリウム、逆性石鹸で消毒可能となるので、お世話した後の手指やお世話に使用した道具もしっかり消毒を行いましょう⚠️🧤
「動物由来感染症ポスター」(厚生労働省)
(https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou18/pdf/poster_2021.pdf)を加工して作成
最後に、
レプトスピラ症は予防できる病気です。
レジャー活動や流行地域に気をつけてワクチン接種計画を立てるなど、わんちゃんとご自身の健康のために、情報を確認しながらペットライフを楽しんでくださいね‼️
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