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2025.01.07

動物看護師

わんちゃんねこちゃんの循環器疾患について

新年あけましておめでとうございます。

今年もよろしくお願い致します。

愛玩動物看護師の中村です。

 

わんちゃんねこちゃんは寒さに比較的強い動物ではありますが、病気に対しても抵抗があるわけではありません。

わんちゃんねこちゃんの冬の時期に気を付ける病気の1つとして循環器疾患があります。

今回のブログではこの循環器疾患について取り上げていきたいと思います。

代表的なものとしてわんちゃんであれば僧帽弁閉鎖不全症、ねこちゃんであれば肥大型心筋症という病気があります。

 

Q:なぜ冬の時期になると循環器疾患になりやすいのか

寒さが増してくるとお家の中の温度と外の温度で大きく差が出てきます。急な寒さに当てられると全身の血管が収縮して血圧が上昇します。血圧が上昇すると心臓がより強い力で血液を送り出そうとするため心臓に負担がかかってしまいます。

その結果として心臓に関連する疾患が多いと言われています。

 

僧帽弁閉鎖不全症とは

僧帽弁とは心臓の左心房と左心室と呼ばれる2つの部屋の間にある弁のことを言います。役割としては左心房から左心室に送り出した血液が逆流しないように防ぐための弁になります。

加齢による変化や心臓の負担増加により弁の構造が変化してしまうとこの弁がうまく閉じきらなくなってしまいます。

閉まらなくなってしまうと左心室に送り込んだ血液の一部が逆流してしまい左心房内に入ってきてしまう状態となってしまいます。

逆流した血液と次に送り込む血液が合わさると左心房内の血液量が多くなり、左心房内部の圧力が上がります。内圧が上がると左心房は左心室に比べると壁が薄いので圧力に負けてどんどん大きくなってしまいます。

僧帽弁閉鎖不全症になると以下のような症状が現れます。

・咳が出る

・呼吸が早い

・疲れやすい、ふらつき

・失神

 

また左心房の内圧が上がると左心房につながっている肺静脈の内圧も上昇してしまい、結果として血管から肺の中に血液の液体成分が漏れ出してしまう状態になります。この状態を肺水腫と呼びます。

肺水腫になると以下のような症状が現れます。

・呼吸が浅く早い

・呼吸困難

・血色が悪くなる

・咳が出る

レントゲンを撮影すると肺に水が溜まった部分X線を透過しない為、左側が正常なレントゲン画像になりますが、右側のように肺の部分が白く写ります。

 

 

 

肺水腫は緊急性の高い疾患になります。

当院は24時間救急対応可能ですのでもしかしすると思ったらすぐご連絡ください。

肥大型心筋症とは

左心室の心筋と呼ばれる筋肉が肥大化する病気になります。

心筋が肥大化してしまうと心室が狭くなってしまい血液を十分に取り込んで送り出すことができなくなってしまいます。

肥大型心筋症になると以下の症状が現れます。

・呼吸回数がいつもより多い

・活動性の低下

・運動不耐性

・開口呼吸

・咳が出る

 

その結果として送り出せなかった血液が肺静脈内で溜まってしまい液体成分が肺の中に漏れ出してわんちゃんと同様に肺水腫になったり、全身に血液を遅れないことで血栓と呼ばれる血の塊ができやすくなり、それが血管内で詰まることで血栓塞栓症という病気にもつながってきます。

症状としては後肢の熱感の消失、後肢の麻痺が現れます。

また猫の場合は肺水腫だけではなく胸水の貯留が高頻度で認められます。

 

 

それぞれ完治することは難しい病気になりますので、早期に発見して治療を進めていく必要があります。早期発見をするためには常日頃の様子をしっかりと診てあげることが大切です。また定期的な健康診断をすることも大切です。わんちゃんねこちゃんは人の4倍ほど早く年を取ると言われていて変化も早いので、健康診断は年2回することが望ましいといわれています。当院では春と秋で健康診断キャンペーン、お誕生日健診など数多くの健診があります。普段と様子が違うなど何か気になることがありましたらご相談ください。

寒い時期はまだまだ続きますが、皆様もお身体に気をつけてお過ごしください。

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