TOPICS
2025.12.15
獣医師
こんにちは、獣医師の上野です。
12月に入り、寒さが本格的に厳しくなって来ましたね。
今年も残り半月となり寂しい気持ちもありますが、心躍るイベント、そう!クリスマス🎄が近づいてきました!
お家でのクリスマスの飾り付け準備を始めているご家庭も多いと思います。
そんな中、気をつけたいのがわんちゃんねこちゃんの異物誤食です。
今月のトリマーブログでも誤食について取り上げてくれていました!
わんちゃんねこちゃんは、飼い主さんが思わず目を離した瞬間に、何でも口に入れてしまうことがあります。
特にわんちゃんねこちゃんは好奇心旺盛で、食べ物以外にも危険な物を誤って食べてしまうことがあるため、誤食には十分に注意が必要です。
今回は、わんちゃんねこちゃんが誤食してしまう原因や、誤食を防ぐための対策、そして万が一誤食してしまった場合の対応方法についてお話しします。
●誤食の原因とは?
わんちゃんねこちゃんが誤食をする理由はいくつかありますが、主に以下のようなものが挙げられます。
•好奇心:わんちゃんねこちゃんは物を噛むことで世界を探検することが多いです。特に子犬や子猫は「噛む」という行動が学びの一環となっているため、周囲にあるものをすべて口に入れたがります。
•食欲:特に食いしん坊の子は、手に届くものを全て食べてしまおうとすることがあります。これは特に、家族が食事をしているときや、食べ物の匂いが部屋に充満しているときに多く見られます。
•ストレスや退屈:環境が退屈だったり、飼い主さんが忙しくて遊んであげられない時、わんちゃんねこちゃんは不安感から物をかじることがあります。また、ストレスを感じて誤食行動に出ることもあります。
•習慣的行動:特定の物を誤食することが癖になってしまっている場合もあります。たとえば、靴やソファのカバーなどを噛んでしまうことが習慣化しているわんちゃんねこちゃんもいます。
●誤食しやすい物とその危険性
わんちゃんねこちゃんが誤って食べてしまう物の中には、命にかかわるものや、体調を大きく崩す危険なものがあります。以下のものには特に注意が必要です。
•チョコレート:わんちゃんにとってチョコレートは非常に危険です。カカオに含まれるテオブロミンという成分が中毒を引き起こし、嘔吐、下痢、興奮、最悪の場合は死亡に至ることもあります。
•玉ねぎやニンニク:これらにはアリルプロピルジスルファイドという成分が含まれており、赤血球を破壊して貧血を引き起こすことがあります。少量でも危険です。
•ガムやお菓子の人工甘味料(キシリトール):キシリトールはわんちゃんにとって命に関わるほど危険です。低血糖を引き起こし、意識を失うこともあります。
•骨(特に鶏の骨):わんちゃんが骨を噛むのは自然な行動ですが、鶏の骨などは割れやすく、喉や消化器官を傷つけることがあります。また、骨の破片が詰まって腸閉塞を引き起こすこともあります。
•プラスチックやゴム製のおもちゃ:小さな部品を飲み込むことで消化不良を起こしたり、腸閉塞を引き起こす可能性があります。
腸閉塞は命に関わることもあるので、特に注意が必要です。
●誤食してしまった場合の対応
万が一、わんちゃんねこちゃんが誤食してしまった場合、冷静に対処することが重要です。
まず、わんちゃんねこちゃんが食べた物が何かを確認しましょう。チョコレートや玉ねぎなど、危険な物を食べた場合はもちろん、危険かどうか判断が難しい場合も、すぐに病院に連絡してください。
誤食に対する病院での対応は以下のようになります。
1.誤食した物の確認
場合によってはレントゲンやエコーで確認することもあります。
2.催吐処置
鋭利なものや大き過ぎるものでなければ、お薬を注射して、催吐処置を行います。
3.内視鏡下での摘出
催吐処置で吐くことが難しかった場合、全身麻酔をかけて内視鏡で摘出することもあります。
4.外科的摘出
内視鏡下での摘出も難しい場合や、腸閉塞を起こしていた場合などには、手術となることもあります。
吐くというのはわんちゃんねこちゃんにとっても苦しい思いをしますし、内視鏡や手術では全身麻酔になるので、わんちゃんねこちゃんの負担を考えると、『誤食をさせない』ということが本当に大切になってきます。
● 誤食を防ぐための対策
一度誤食をしてしまうと、それが癖になってしまう子も多くいます。そのため、誤食を防ぐためには、日頃からの予防が大切です。わんちゃんねこちゃんの誤食リスクを減らす方法をいくつかあげていきます。
•食べ物を手に届く場所に置かない:わんちゃんねこちゃんがアクセスできる場所に食べ物を置かないようにしましょう。特にチョコレートやケーキなどの甘いものは、わんちゃんねこちゃんが興味を示しやすいです。
•環境を整える:わんちゃんねこちゃんが手に入れることができる物を整理整頓し、誤食しやすい物を物理的に取り除きましょう。わんちゃんねこちゃんが遊んでいる場所には誤って飲み込む可能性のある小物を置かないようにします。
•定期的におもちゃを提供する:わんちゃんねこちゃんが退屈しないように、安全な噛むおもちゃを与えましょう。噛むことができるおもちゃを与えることで、誤食行動を防ぐことができます。
最後に、
誤食はわんちゃんねこちゃんにとって危険なだけでなく、ご家族にとっても非常に心配な出来事です。しかし、日々の注意と予防策を講じることで、誤食のリスクを大きく減らすことができます。わんちゃんねこちゃんの安全を守るために、環境を整え、適切なケアをしてあげてください。
『クリスマスツリーの飾りを食べちゃってひやっ』としたクリスマスにならないように気をつけて、良い年末をお迎えください!

年中無休・夜間対応