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2024.06.13

動物看護師

『猫ちゃんとの愛情スキンシップ🐈ズーノーシスには気をつけて!』

こんにちは🌿

看護師の山本と西岡です。

あっという間に6月になり、もうすぐで梅雨がやって来ますね☔️

お家の中でわんちゃんやねこちゃん達と過ごすことも増える時期となります。

 

今回は、『猫ちゃんとの愛情スキンシップ🐈ズーノーシスには気をつけて!』をテーマにお話いたします。

『ズーノーシス』とは日本語で『人獣共通感染症』のことを指し、人と動物との間で感染しうる疾病のことを言います。

その中でも今回は、身近でも感じられる『猫と人』の間での主な感染症4つと、スキンシップを楽しみながらも互いに安全に過ごすために注意したい⚠️ことをご紹介いたします。

 

 

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◎猫ひっかき病◎

バルトネラ菌を原因とし、菌をもつ猫に引っ掻かれることにより感染します。菌をもつノミの吸血により感染することもあります。

猫同士でもノミにより感染していきます。猫の場合、感染しても多くは無症状です。

〈人が感染した場合〉

症状:猫に引っ掻かれた傷に発赤が生じ、局所のリンパ節が腫れます。基本的に全身症状は少なく、自然に軽快しますが、稀に重症化します。

〈予防〉

・ネコちゃんの爪は常にみじかく切っておきましょう。

・ノミ予防をしましょう。

「人と動物の共通感染症に関するガイドライン」(環境省) (https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph/infection/guideline.pdf)を加工して作成

 

 

◎パスツレラ症◎

〈パスツレラとは〉

犬や猫の口の中に常在している菌です。犬や猫に咬まれたり引っ掻かれたりすることで感染します。動物同士のケンカなどでも感染します。

〈動物が感染した場合〉

症状:保菌するだけでは症状はないですが、まれに発熱、皮下が化膿することなどがあり化膿している所から菌が侵入し敗血症を起こすこともあります。

〈人が感染した場合〉

症状:局所の腫脹、化膿、骨髄炎など。

「人と動物の共通感染症に関するガイドライン」(環境省) (https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph/infection/guideline.pdf)を加工して作成

 

〈予防〉

・ワンちゃんネコちゃんの爪の管理、しつけをしましょう。

 

 

◎トキソプラズマ症◎

〈トキソプラズマとは〉

多くの動物、人に無症状のまま感染していると言われている原虫です。

〈動物が感染した場合〉

多くが無症状ですが、発症すると発熱、肺炎、腸炎、リンパ節腫脹等がみられます。

〈人への感染ルート〉

①ネコ科の動物が肉類などの食品から感染します。

②糞便と共に卵のようなもの(オーシスト)を排出します。

③糞便を触った人が何らかの理由で経口摂取した場合に経口感染を起こします。

「人と動物の共通感染症に関するガイドライン」(環境省) (https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph/infection/guideline.pdf)を加工して作成

 

〈人が感染した場合〉

人が発症に至る例はとても少ないです。

しかし、妊婦さんが初めて感染した場合、胎盤を経て胎児へ感染し、奇形や流産などを起こすことがあります。

〈予防〉

・終宿主の猫への感染を防ぐ事が重要です。生肉は与えない様にしネズミや鳥などの捕食にも注意しましょう。

・糞便はすぐに片付けましょう。

 

 

◎重症熱性血小板減少症候群(SFTS)◎

SFTSウイルスをもつマダニに咬まれることにより感染します。感染した動物の血液、唾液、尿などの体液からも感染することがあります。

西日本を中心に報告が多く、耳にする機会が少ないかと思われますが近年では感染地域も広がっており、愛知県でも2023年6月に豊田市で報告があがっています。

〈動物が感染した場合〉

症状: 猫の場合、発熱、消化器症状、元気の消失、黄疸など。重症化することが多く6~7割が死亡します。

犬の場合、多くは症状を示しません。

〈人が感染した場合〉

症状: 全身倦怠感、消化器症状など。重症化すると呼吸不全や意識障害、けいれん等を起こし約10~30%が死亡します。

〈予防〉

・マダニの予防をしましょう。

・お散歩後には体にマダニがついていないかチェックするようにしましょう。もしマダニが付着していても、無理に取ろうとせずに病院に相談するようにしてください。

「厚生労働省ホームページ 重症熱性血小板減少症候群(SFTS)について」 (https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000169522.html)を加工して作成

 

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以上のように、猫と人との間にはさまざまなのズーノーシスがあります。

ただ、これらの感染症を防止したり、リスクを大幅に軽減することは可能です。

対策としては、

①完全室内飼育をする

②寄生虫(ノミダニ)の予防を行う

③定期的なグルーミング(ブラッシングやお爪切り)があります。

これらを行うだけでも、感染するきっかけを減らすことが出来ます。

ねこちゃんは可愛すぎるあまり、沢山抱きしめたりお顔をスリスリしたり、沢山スキンシップをしてしまいますよね🤔

対策を行い、飼い主様にも、ネコちゃんにも安心して幸せな毎日を送っていただけることを、私たちも強く願っています🍀

お家でのグルーミングが難しい場合や、予防薬についてなど、ぜひお気軽にご相談ください😺♫

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