TOPICS
2023.12.08
獣医師
皆さん、こんにちは。
獣医師の内山です。
最近、ぐっと寒くなる日が増えて、寒暖差に驚いています。
冬支度が進み、ついに我が家でもコタツが登場しました。こんな寒いときは、おうちのワンちゃんやネコちゃんをつい抱っこしたしたくなりますよね。
そこで、ふと、
あれ?なんか、体にできものある??
と、愛犬、愛猫の体を触っていて初めて体にしこりやできものが出来ていることに気づいたことはありませんか。
今回は、そんな「体にできるしこりやできもの」についてご説明します。
はじめにどんな病気があるかご紹介します。
①脂肪腫
皮膚の下にできる脂肪の塊で、良性の腫瘍です。
加齢と共にでてきたり、増えたりすることが多く、大きさが変わらない場合は、基本無治療で様子を見ることが多いです。
しかし、徐々に大きくなったり、できる場所によって歩行の邪魔になる場合は、外科切除を行います。
②皮脂腺腫
いわゆる「イボ」です。
皮脂腺の細胞の異常増殖によってできる良性腫瘍です。
加齢性に出てきますが、特にトイ・プードルやシーズー、コッカースパニエルに多いです。
凍結療法や外科切除で治療をします。
③皮膚組織球腫
組織球という細胞の増殖した皮膚にできる良性腫瘍です。
3歳以下の若齢犬で多く、手足や頭部にできるドーム状の見た目のしこりです。
ほとんどの場合、1、2ヶ月で、自然に小さくなっていくことが多いです。
④肥満細胞腫
肥満細胞という免疫関わる細胞の悪性腫瘍です。
見た目や発症年齢は様々であり、ボストンテリアやパグで発症が多いです。
治療の第1選択は、外科切除ですが、他の臓器に転移している場合や悪性度によって放射線治療や内科治療も併用していきます。
⑤乳腺腫瘍
文字通り乳腺の腫瘍です。
未避妊の女の子に多く、良性、悪性共にありますが、確定診断は病理検査が必要になるため、完全に切除しなければなりません。
悪性の場合は、再発や転移に注意が必要です。
⑥リンパ腫
リンパ球という免疫に関わる細胞の悪性腫瘍です。
中高齢の子で多く、皮膚にできるもの、内臓にできるもの、様々なタイプがあります。
一般的には、抗がん剤での治療となっていきます。
いかがでしたでしょうか?
単にしこりやできものといっても様々な病気があります。
動物病院では、細い針で吸引して細胞をとり、顕微鏡で観察して診断していきます。
それだけで確定診断できない場合、全体的に切除して、病理検査を行ったり、血液検査や画像検査で総合的に判断していきます。
できものやしこりは、見た目だけでは判断できないことが多いです。
早期の発見や対応によって、結果が変わる場合もあるため、自己判断せず、早めに病院に連れてきてください。
予防として毎日体を触ってあげたり、健康診断に連れて来ていただいてワンちゃんネコちゃんの健康を共に守っていきましょう!
なんでも相談に乗りますので、お気軽にお声掛けください!!
年中無休・夜間対応