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2024.03.02

獣医師

わんちゃん、ねこちゃんの輸血って!?

こんにちは
獣医師の星山です。

 

2024年もあっという間に2ヶ月が過ぎましたね。皆さん如何お過ごしでしょうか?

 

今回は、『輸血』について少しだけお話しさせていただきます。

 

 

 

みなさん、病院での健康チェックでお口の中を見られた経験はないでしょうか?

 

 

私たちはお口の中の粘膜の色、歯や歯肉の状態、舌、お口の中全てを見ていますが、中でも粘膜の色は貧血を教えてくれることがあるんです。

 

 

粘膜の色の異常は、血液の異常を示しています。

 

通常は、ピンク〜赤色に見えますが、貧血では白色になります。

 

黄疸が起こると黄色、チアノーゼの状態で紫色に見える場合があります。

 

ぜひお家でも、日々の健康チェックとして、覗いて見て下さい。

 

 

それでは…貧血について

 

⭐︎貧血の原因

 

貧血はたくさんの原因がありますが、大きく分けて3つに分類されます。

 

 

①出血(失血)性貧血

体の中もしくは体の外へ血液が喪失、漏れ出して起こる貧血。

外傷
消化管出血による慢性的な出血
外科手術など。

 

 

②溶血性貧血

血管内もしくは血管外で赤血球が破壊されて起こる貧血。

薬物中毒
免疫介在性疾患
感染症
物理的な破壊
ヘム合成能の欠損
赤血球の代謝異常

 

 

③赤血球産生障害(低下)

赤血球を作る能力が低下し、起こる貧血。

・髄外性
炎症性疾患
感染症
慢性腎不全
肝不全
甲状腺機能低下
副腎機能低下
低アンドロジェン症
栄養不良

 

・骨髄性
骨髄腫瘍
免疫介在性疾患
感染症
薬剤
中毒
鉄欠乏性貧血

 

 

 

⭐︎貧血時の症状

 

原因により様々な症状が出ますが…
元気食欲がない、
急に立てなくなった、
ぐったりしている など

 

 

もし、貧血が疑われたら…

 

 

まずは、検査可能でしたら原因の検査を行います。

 

軽度の貧血、原因がわかる場合は、原因を治療するお薬や注射での治療を開始しますが、緊急時や、重度貧血には検査と合わせて輸血の選択をします。

 

 

そのため、輸血を必要とするわんちゃんねこちゃんは、緊急性が高いことがほとんどです。

 

しかし、現在の日本では、血液を保存することが難しく輸血のストックが病院にはありません。

 

常に血液が不足しており、輸血ができる病院も限られている現状です。

 

そこで、ドナーとなるわんちゃん、ねこちゃんから供血をお願いさせていただくことがあります。

 

現在、当院では先代の院内犬であったわかめの名前から、『わかめの輪』を作り、

多くのわんちゃんねこちゃんがこの輪に、登録していただいています。

 

 

貧血にはたくさんの種類があり、緊急時や重度貧血には輸血を行う必要があります。

 

突然の事故や病気、手術などの時、救命のために輸血が必要になることがあるのは動物も人も同じです。一刻を争う状況での輸血の選択、輸血から救われる命がたくさんあります。

 

輸血の輪、命の輪を広げるために、条件がございますが、供血のドナー登録をしていただけるわんちゃん、ねこちゃんを随時募集しています。

 

わんちゃんの条件🐕

1.健康で体重15kg以上

2.年齢1~5歳以下

3.狂犬病ワクチン・混合ワクチンを毎年接種している

4.フィラリア、ノミダニの予防をしている

5.血液型1.1陰性

6.妊娠していない子

 

 

ねこちゃんの条件🐈

1.健康で体重4kg以上で完全室内飼育

2.年齢1~5歳以下

3.3種混合ワクチンを毎年接種している

4.FIV・FeLV陰性

5.血液型A型 or B型

6.妊娠していない子

 

 

ドナー登録、供血をしていただいたわんちゃんねこちゃんへささやかなプレゼントもご準備しております。

 

 

最後に、最近お昼は暖かくなってきましたね☀️

春がすぐそこまで来ています♪

日向ぼっこしながら寝ている我が家の猫ちゃん、 かふぇくんです。とってもかわいいです。

 

 

それでは、まだまだ朝晩は冷えますので、皆さん寒暖差に気をつけてお過ごしください。

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