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2023.05.15
獣医師
こんにちは!獣医師の大澤です。
最近すっかり暖かくなりましたね。
でも夜は冷えることもありますのでお気をつけください。
毎年のことながら、衣替えのタイミングを見失ってしまいますね・・・。
今回はわんちゃんとねこちゃんのお口の中の構造について書かせて頂きます。
毎日一緒に生活していても、なかなか彼らのお口の中をじっくり観察したことはないかと思います。
歯や舌などそれぞれ細かくみると、やっぱりヒトとはだいぶ違う構造になっています!
それぞれの特徴や、そしてお口のお手入れについて簡単にご紹介しますね!
~舌と歯肉、唾液~
舌や歯肉には、唾液が湧き出る部分が潜んでいます。
唾液は、口の中をきれいにするとても大事な作用があり、歯垢や歯石が出来にくくしてくれます。
上顎の粘膜の部分は段差がでこぼこしています。前歯(正式には切歯といいます)の裏ををよくよくみてみると、ちょっとだけぷっくりしている部分があります。
これは切歯乳頭といって臭いを感じる神経の部分です。どうやらヒトでもあるそうですが、わんちゃんたちのほうがなんだかハッキリしています。
やっぱり嗅覚がヒトと比べるととても鋭いことに関係しているのでしょうね。
~歯~
切歯、犬歯、臼歯はわんちゃんとねこちゃんでそれぞれ本数が違います。
わんちゃんは、上顎の切歯6本、犬歯2本、臼歯12本。
下顎の切6本、犬歯2本、臼歯14本。
ねこちゃんは、上顎の切歯6本、犬歯2本、臼歯8本。
下顎の切歯6本、犬歯2本、臼歯6本。
切歯や犬歯は普段から目にする部分だと思いますが、臼歯はほっぺたの奥の方なのでなかなか見る機会がありませんよね。
すこ~しほっぺたをめくって見てみてください。
なかなか大きな存在感の歯が見えると思います。
上の臼歯と下の臼歯はかっちり挟まると鋏のようになっていますね。
ヒトと違い、食肉目と呼ばれる動物なので、まさしく歯が肉を引き裂くための鋏の役割を担っているんですよね。
彼らの祖先はそれぞれオオカミやヤマネコなので獲物をハンティングするための大事な武器です。カッコイイ!
しかし、家庭の中でヒトと生活するスタイルのなか、わんちゃんは特にオオカミの頃と比べて体がとっても小型化されました。
しかし、顎の大きさが小さくなっても歯の本数は変わりませんでした。
すると、口の中は大渋滞!
歯がぎっしり並んでいて、隙間がありません。
唾液の洗浄作用がうまく働きません。
すると、ほっぺたの奥の臼歯のまわりはとても歯垢がつきやすい環境になってしまいました・・・!!
ですので、小型犬のこたちはとても歯周病になりやすいです。
近年は、3歳以上のわんちゃんねこちゃんの80%は歯周病という統計報告もあります。
これを防ぐには小まめなデンタルケアが必要になります。
デンタルケアはいきなりしっかりやろうとしても難しい面が多いと思います。
当院ではいろいろなデンタルケアグッズを置いています。
歯磨きジェルや、歯磨きガム・・・出来る範囲から頑張って地道にやっていきましょう!
目標は、歯ブラシで前述した臼歯の隙間のところまで丁寧にみがくことですね。
5月27日にデンタルセミナーを病院で開催する予定ですので、どうかお気軽にご参加ください。
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