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2024.12.04

獣医師

漢方のお話

こんにちは。

 

獣医師の今瀬です。

 

寒さが厳しくなり、あっという間に今年も残り1ヶ月となりました。

 

冬は中医学的に、”腎(じん)”の働きが弱くなりやすい季節と言われます。

 

腎は、排泄を司る腎臓の働きだけではなく、ホルモンバランスや老化、免疫にも関与し、体を奥底から温める働きもあります。

 

冬の時期は特に腎を養生する事が重要になります。

 

体を温め、乾燥に注意し、いつも以上にしっかり睡眠をとって、元気に新しい年を迎えたいですね。

 

 

 

12月は、中医学と漢方についてのお話をしたいと思います。

 

中医学とは、古代中国の哲学や思想をもとに発展してきた医学のことで、自然とのバランスや体内のバランスを重視し、その子の体質をみながら診断、治療をしていきます。

 

✴︎老齢動物のケア

体に負担のない治療、QOL(生活の質)の向上、老化対策

 

✴︎慢性疾患へのアプローチ

低下した自己治癒力を取り戻す、体質改善

 

✴︎未病へのアプローチ

検査しても異常がないけれど気になる症状がある

 

✴︎養生(健康維持)

再発防止、健康な体づくり

 

 

このような分野が得意です。

 

 

 

★体内の陰陽バランス

 

全てのものごとは、『陰』と『陽』に分けることができます。

 

体内での『陰』の特徴は、体を潤す、冷ます、精神を落ち着かせるなど。

 

『陽』の特徴は、体を温める、循環を促す、精神を興奮させる、活発にするなど。

 

 

『陰が不足』すると、

 

潤いがなくなり乾燥しやすくなる、ほてりなど熱感を感じやすくなります。

 

『陰が過剰』になると、

 

強い冷え症状が現れます。

 

『陽が不足』すると、

 

体を温めることができず冷えを感じやすくなります。

 

『陽が過剰』になると、

 

強い興奮があらわれ、赤みがでる、のぼせなど熱感を感じやすくなります。

 

 

 

『陰陽のバランス』が取れている状態=『健康』です。

 

 

 

四診(目でみる、触れてみる、聞いたり嗅いでみる、症状やライフスタイルを聞いて情報を得る)から、それぞれの臓腑(臓器)について、気血津液の『陰陽バランス』を読み取り、診断し、治療を進めます。

 

 

★気血津液

 

『気』とは、生命活動のエネルギー(動かす、温める、守る、維持する、代謝する)を指します。

 

『血』とは、血液(栄養する、精神を安定させる)を指します。

 

『津液』とは、血液以外の体液(潤す、血液を補給する)を指します。

 

 

漢方は、そのそれぞれについて、足らないものを補ったり、過剰なものを取り除いたりする働きのある生薬を組み合わせて処方されます。

 

老齢のわんちゃんやねこちゃんで、検査では異常がなかったけれど、歳のせいか、なんとなく元気や食欲がなく、よぼよぼしている…足が冷える…

 

ということはよくありますよね。

 

年を重ねるほど、『気』は消耗し、減っていくものですので、『気』が足りない場合は『気』を補う作用のある漢方を使うと、体調を管理しやすくなるかもしれません。

 

 

当院でこのような時によく使う動物用の漢方に『源気』があります。

 

紅景天(ロゼア)

 

人参

 

擬黒多刺蟻

 

五加皮

 

ヨクイニン(ハトムギ)

 

という生薬が調合されていて、元気回復、体力増強、免疫調節、老化防止などが期待できます!

 

 

 

その他、症状に応じて、さまざまな漢方がありますので、気になる方は是非、お問い合わせ下さい!

 

 

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