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2022.12.15

獣医師

実は奥が深いネコちゃんのトイレ事情

こんにちは!獣医師の家田です。

 

気づけば2022年もあと半月…

時の流れの早さに驚いております。

 

少し変わっているかもしれませんが私が年の瀬が迫ってきたと感じるのは、宝くじ売り場に並んでいる人を多く見かけるようになった時です。

 

私が小さい頃、私の父親は12月になるとよく年末ジャンボ宝くじを買って帰ってきていました。当時は当選発表の日が待ち遠しく、新聞にかじりついて何度も新聞と宝くじを見返して番号を確認していたのを思い出します。

 

今年は久しぶりに購入して、当選発表の日は20年ぶりに父親と宝くじで一喜一憂してみようと密かに計画しております。

ネコちゃんの鍵しっぽは幸運をもたらすと言われています。

もし宝くじを購入される際は鍵しっぽのネコちゃんに願掛けしてみるのも良いかもしれませんね。

 

 

さて、今回のテーマはネコちゃんのトイレについてです。

ネコちゃんのトイレ事情は実は奥が深いことはご存知でしょうか?

容器の大きさ、トイレの深さ、カバーの有無、トイレの数、設置場所、猫砂の種類、掃除の頻度

 

トイレを構成する要素はこれだけあります。

なるべく理想のトイレ環境を作ってあげられるように、今回はこれらを1つずつ解説していきます!

 

ですが、その前に・・・

おうちのネコちゃんはトイレをする時にこんな行動をしていませんか?

 

1.トイレの淵をひっかく

2.壁や床をひっかく

3.トイレの淵に足が2本以上乗せている

4.排泄中にトイレの淵に足を置いているか足を上げている

5.排泄前に猫砂を掘らない

6.トイレの滞在時間が短い

7.トイレに近づくものの排泄せず立ち去る

8.排泄物を隠さない

9.トイレに入ってもすぐにでる

 

これらは、ネコちゃんがトイレに不満をもっているときの行動として2007年にアメリカで発表された論文で紹介されているものです。

日本では最近トイレ嫌々サインとして広まってきていますが、日々診察をしているとまだまだご家族には浸透してないような気がしています。

 

というのも、トイレの淵に足を置いて排泄をする姿は愛くるしくて「かわいい!」と思われてしまうことが原因の1つかもしれません。

私自身もSNSでそういった動画を見かけることがありますが、トイレ環境についてお伝えしたい!とよく思ってしまいます・・・

 

理想的なネコちゃんの排泄の様子がどういったものかというと、

トイレに入って排泄する場所のニオイを嗅ぐ→猫砂を掻く→掻いた場所にしゃがんで排泄→排泄物のニオイを嗅ぐ→排泄物に砂をかけて隠したうえでトイレからゆっくりとでる

以上の行動をとります。

 

もちろん個体差はありますが、排泄物に猫砂をかけて隠したりトイレからゆっくりとでてきたりというのは現状のトイレに満足してくれている様子だと考えられます。

トイレをあまり気に入っていないとどうして良くないかというと、排泄の度にストレスを感じてしまい、ストレスが原因の1つとなって膀胱炎を起こしてしまったりトイレで排泄するのが嫌で粗相をしてしまったりする可能性があるからです。

 

では理想的なトイレ環境とはどういったものでしょうか。

7つの項目に分けてご説明していきます。

 

① 容器の大きさ

大きさは体長の1.5倍ほどが良いと言われています。これはトイレの中でも方向転換しやすいようにです。

私たちもトイレが広いと快適に感じますよね。ちなみに体長は首の付け根からお尻までの胴体の長さで考えてあげると良いかと思います。

 

② トイレの深さ

排泄の前後で砂を掘っても底が見えないくらいが理想です。容器の深さもある程度必要ですし、入れる猫砂の量が少なくてもいけません。

 

③ トイレカバーの有無

カバーは無い方が良いと思います。カバーがあると閉鎖的になってしまいます。人でいうところの仮設トイレのようなイメージです。

野良のネコちゃんは基本的には開放的な場所(公園の砂場など)で排泄を行うため、カバーは外してオープンにしてあげるのが良いでしょう。

ただ、ご家族のお話を聞いていると中にはカバーのついたトイレでしか排泄しないという子もいたのでやはり好みはあると思います。

 

④ トイレの数

よく言われるのはネコちゃんの頭数+1以上の数です。ネコちゃんが1頭ならトイレは2つ以上、2頭なら3つ以上ですね。

ただ、多頭飼いのご家庭だと家の中がトイレだらけになってしまいます・・・ですが、多頭飼いの場合は基本的に数頭でコミュニティーを作りますので、コミュニティーごとに使うトイレがある程度定まります。そのため必ずしも頭数+1以上の必要はありません。

 

⑤ 設置場所

複数のお部屋においてあげるのが良いでしょう。ただし、どのお部屋でも良いわけではありません。なるべく静かで暗すぎない場所がベターです。テレビや洗濯機の横は比較的うるさいことが多いので避けましょう。

また、ネコちゃんは夜行性だからと真っ暗な部屋にトイレを設置してしまうのもよくありません。

 

⑥ 猫砂の種類

猫砂に関してはかなり好みが分かれます。猫砂は固まるタイプと固まらないタイプに大きく分かれますが、そこからさらに鉱物系、紙系、木系、おから系等に分類されます。大まかな特徴はとしては以下の通りです。

鉱物系:自然の砂に近く、多くのネコちゃんが好みやすい。しっかりと固まる。

紙系:鉱物系よりもやわらかく固まる。軽量でトイレに流せるものが多い。

木系:他の種類の猫砂よりは固まりづらい。安価で軽量。

おから系:他の猫砂と比べるてやわらかく固まる。吸水力に長けている。

ネコちゃんがどの種類の猫砂を好むのか、という研究は数多く行われており、研究結果からは鉱物系が最も好まれることがわかっています。しかし、好みは様々であるため排泄の様子をしっかり観察して今の猫砂が気に入っているのかを判断する必要があります。

 

⑦ 掃除の頻度

トイレ掃除は定期的に行ってあげなくてはいけません。可能であれば月に1度は猫砂を全量取り替えて、かつトイレ容器も洗ってあげるのが良いでしょう。

減った分の猫砂をつぎたすだけだと細かな排泄物が残ってしまい不衛生になってしまいますし、固まるタイプの猫砂も固まりにくくなってきます。

以上が理想的なトイレ環境を作るポイントになります。

トイレ嫌々サインが出ていたり排泄トラブルを抱えているネコちゃんのご家族はもちろん、そうではないご家族も1つずつ項目をチェックしていき、改善できそうなものがあればぜひ改善してあげてください。

 

もしネコちゃんのトイレに関してご質問等あればいつでもご相談くだい!

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