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2025.09.15

獣医師

涼しい季節に向けて

こんにちは!

 

獣医師の富澤です。

 

9月に入りましたが、まだまだ残暑が厳しい日が続いていますね。

 

皆さま体調を崩したりしていないでしょうか?

 

たまに外出すると夏の暑さにやられてしまいます、、、

 

秋の季節まであと少し、夏バテしない様に乗り切りましょう!

 

 

 

さて、今回はこれからの時期、寒くなってくる時期に気をつけたい病気についてお話ししていきます。

 

 

咳が増えたり、関節が痛くなったりはイメージがつきやすいと思いますが、意外と泌尿器系の病気も増える傾向にあります。

 

 

なぜ増えるのでしょうか。

 

 

その1番の原因は飲水量が減少するからです。

 

 

夏は暑いですから、お水をよく飲んでくれる子が多いです。

 

 

しかし、気温が下がってくると動物は人間のように「こまめに水分摂取をしよう」とはなりません。

 

 

そうすると

・血液の循環が悪くなる

・尿が濃くなる

・細菌をうまく排出できなくなる

 

 

などが生じ泌尿器系のトラブルが起きやすくなります。

 

 

 

飲水量の低下が影響する病気を4つご紹介します。

 

①膀胱炎

 

細菌感染、膀胱結石、ストレスなども原因となります。特にネコちゃんではこれからの時期、気温差のストレスが原因になることもあります。症状としては頻尿や血尿、トイレにずっといるなどが多いです。

 

 

②尿石症

 

これは尿の通り道(腎臓→尿管→膀胱→尿道)に石ができてしまう病気です。中でも多いのは膀胱、尿道です。膀胱炎と似た症状が出たり、無症状の事もあります。特に尿pHの指摘を受けた事がある場合は定期的な検診をお勧めします。

 

 

③尿道閉塞

 

これは特に男の子で気をつけたい緊急度の高い病気です。先に挙げた2つの病気から生じる事が多いです。男の子は女の子よりも尿道が細長いです。そのため尿道に結石や炎症産物が詰まりやすく、尿を出せなくなることがあります。排尿姿勢をしても丸1日尿が出ない、出てもポタポタとしか出ない、うずくまって鳴いているなどの症状が出るようでしたら夜間でもすぐにご連絡下さい。

 

 

④腎臓病

 

高齢の子で多い病気です。腎臓は心臓から送り出される血液の20%以上を受け取る臓器です。飲水量の低下は血流量を低下させ、腎臓の負担が大きくなります。そのために腎臓病が進行してしまう恐れが出てきます。腎臓は体内の毒素を尿として排泄きたり、血液を作るのに関わったりと重要な役割を果たしていますので、様々な体の不調が生じてしまいます。

 

 

 

 

では、お水を飲んでくれない子はどうしたらよいでしょうか。

 

 

特にネコちゃんは気まぐれな子が多いですので、皆さん悩まれるところだと思います。

 

 

具体的な対策としては

 

・水を複数箇所に置く

・水をぬるくする

・水場を清潔に保つ

・水の質を変更する(硬水は結石のもととなるミネラルを含むためNG)

・容器を変更する(深さ、高さ、材質など)

・ご飯をふやかす

・ウェットフードを追加する

 

などが挙げられます。

 

 

お水を飲まない子は是非試してみてください。

 

 

また、診察時にお聞きすると「どれくらい飲んでいるかわからない」という声も多い印象です。

 

 

正常な1日の飲水量は

 

ワンちゃんは体重の50-60倍(ml)程度

 

ネコちゃんは体重の40倍(ml)程度

 

です。

 

※フードなどの水分量で変動します

 

 

うちの子あんまりお水を飲んでいないかも…と感じたら、お水の量を測ってみて下さい。

 

 

また、当院では今年は9~10月の2ヶ月間、秋の健康診断を開催しています。

 

 

尿検査や早期腎臓病を検出できる血液検査項目もありますので是非ご活用下さい!

 

 

季節の変わり目は人間も動物も体調を崩しやすいですが、しっかりと対策をして乗り越えましょう!

 

 

 

 

最後に実家の愛犬を紹介させて下さい🙇‍♂️

 

 

 

 

ワイヤーフォックステリアのチャーリーです。

 

 

最近会えていないので、そろそろ会いにいきたいなと写真を見返しています。

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