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2023.03.14
獣医師
こんにちは!
獣医師の江場です
3月に入り急に暖かくなりましたね、ここ最近の最高気温はなんと5月並みだそうです!
冬の寒さが和らいだのは嬉しいことですが、
急な気温の変化で体調を崩さないように気をつけたいですね😃
さて、今回は胆嚢という臓器に関する病気、
『胆嚢粘液養腫(たんのうねんえきのうしゅ)』についてお話ししたいと思います。
そもそも胆嚢とはどんな臓器なのか?
簡単に言うと胆嚢は、
肝臓で産生される胆汁という消化液を一時的に貯蔵・濃縮する為の袋状の臓器です。
胆嚢からの胆汁は総胆管という管を通り、
胃の先にある十二指腸という腸管へ分泌され、
主に脂肪を消化吸収しやすくする働きがあります。
胆嚢粘液嚢腫ではこの胆嚢がムチンに富んだ
粘性の高い異常な胆汁が蓄積することで拡張してしまっている状態です。
詳細な発生機序ははっきりとしていませんが、
胆嚢壁を構成する粘液産生細胞からの過剰な粘液産生によって
異常な胆汁貯留が発生していると考えられています。
好発犬種として
シェットランド・シープドッグ、コッカー・スパニエル、
ミニチュア ・シュナウザ ーなどが挙げられています。
よくある症状は,嘔吐や食欲不振,元気消失,
嘔吐、腹部疼痛、黄疸、発熱などさまざまです。
過剰な粘液貯留の結果、胆道系の閉塞や胆嚢壁の穿孔・破裂をともなう場合は
重篤化することもあり、危険な病気と言えます。
そんな胆嚢粘液嚢腫、どのように診断・治療するのでしょうか?
血液検査により肝酵素(ALT、AST、ALP、 GGT) や
総ビリルビンの上昇がみられます。
診断には超音波検査による胆嚢の評価がもっとも有用で、
胆嚢壁の浮腫やキウイフルーツ様や星状といった胆嚢の断面図がとても代表的な所見です。
治療方法は外科療法と内科療法がありますが、
先ほど挙げたような臨床症状がある場合は
外科療法である胆嚢摘出が第一選択となりますし、
無徴候であっても将来的なリスクを考慮すると、
麻酔リスクや併発疾患など諸事情がない限りは
やはり外科療法を選択することがほとんどです。
また発症の素因として
副腎皮質機能進症や甲状腺機能低下症といった内分泌疾患、
高脂血症,胆嚢の運動性低下などが報告されています。
いずれも高齢の子に多い病気ですが、
実際に胆嚢粘液嚢腫は比較的高齢での発症が多いです。
わんちゃん猫ちゃんは見た目上は問題なく過ごせていても
実は隠れて病気が進行しており体調が悪くなってから発覚するケースが多いです。
先に挙げた疾患は健康診断で見つかる事が少なくはありません、
その為少なくとも年に一度は健康診断の受診をお勧めします。
当院では通常の検査よりもお得なバースデー健診を実施していますので
詳しくは病院スタッフまでお問い合わせ下さい😃
最後に
最近、昔からの趣味だった写真を再開しました📸
と言ってもまだ室内で飼い猫達を撮るくらいですが…
これから更に暖かくなってくるので、外での撮影もチャレンジしてみようと思います😊
年中無休・夜間対応