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2022.04.10

獣医師

これって低血糖??

 

こんにちは!獣医師の田宮です。今年はスポーツの祭典の年です。

 

冬季オリンピックとサッカーワールドカップが行われる年です。

私の趣味はサッカーとウィンタースポーツです。

北海道出身ということもあり2月に開催された北京冬のオリンピックがとても楽しみでした。

地元出身の選手も多い中、開会式から競技中までとにかく録画をしまくり応援しました(黙食ならぬ黙応援しました)。

サッカーワールドカップは先月の最終予選で日本代表が7大会連続7度目の出場を決め、

11月の開幕が今から待ち遠しいです。

 

例年は6月に開幕しますが、カタールの暑い気候を考慮し、

史上初の冬の開催となるそうです。

そんな四季折々のスポーツの祭典も今年は楽しみの一つです。

 

 

さて、いよいよ4月に入り暖かい陽気が続いています。

春から新生活!という方も多いのではないでしょうか。

当院でも新しくワンちゃんネコちゃんを迎えました!というオーナー様と良くお会いします。

 

診察中に質問が多いのは、

まだ若齢の子で食事のペースはどのくらいが適切?

どんなご飯がオススメ?

と普段の生活に関するものですが、

ご飯を食べなかった時、低血糖が怖いです〜という心配な声も良く聞きます。

 

 

 

良く耳にする子犬の低血糖ってどんな症状?

どんな時に起こるの?

と気になる方も多いと思います。

今回のブログではそんな「ワンちゃんの低血糖」をテーマに書きます。

 

 

■低血糖って?
低血糖とは、体の中の糖分(血糖)が不足することです

 

■そもそも血糖って?
ズバリ!「体のエネルギー源」です
体の中でも糖分は特に脳でいちばん多く利用されます(他に肝臓、筋肉、脂肪組織に蓄えられます)

 

■どんな症状が出るの?
脳に一番必要な糖分が不足するので、ぼーっとしたり、ぐったりしたり、体温が低くなったりします。

ひどくなると、脳の機能が低下し麻痺やけいれん発作が起こることがあります。

 

 

吐き気や、下痢、失禁や震えなどもあります。

舌が紫色をしている、歯茎が白い、目がうつろでショボショボする、なども特徴的な症状です。

 

 

■低血糖の原因って?
A. 子犬の場合
生後3ヶ月くらいの子に低血糖が多い傾向があります。

特にチワワやトイプードルなどの小型犬に多いです。

まだ体が小さいので糖分を肝臓に貯める能力が発達していないことが原因で起こります。

 

空腹時に起こりやすいと言われているので1日の食事回数を3回〜4回食と増やすことで

糖分が使われすぎて不足しないようにエネルギーを補給できます。

同時に室温が低くても良くないのでわんちゃんが過ごしやすい26度くらいに室温を保てるとさらに良いです。

 

胃腸炎や寄生虫疾患を併発していることもしばしばあるため糞便検査は必須です。

 

他に門脈シャントや重度感染症でも低血糖になることがあります。

 

 

 

B. 成犬の場合
一般には5歳以上の大型犬に見られることがあります。

原因は副腎皮質機能低下症によりホルモンのバランスが崩れたり、

内臓腫瘍(肝臓や脾臓、膵臓)によって血糖をうまく作れなかったり維持できなくなったりするためです。

 

血液検査や、超音波検査、レントゲンなど、半年〜1年に1回の定期的な健診を受けることが大切です。

 

 

C. 糖尿病を患っている子
治療のために血糖値を下げるインスリンを注射しているワンちゃんに対して、

過剰にインスリンを投与すると低血糖になることがあります。

食事を食べない場合にインスリンを打つと血糖値が下がり過ぎてしまいますし、

体重の増減によってインスリンが効かない、または効きすぎてしまうこともあります。

 

定期的に体重を測ったり、診察で血糖値を確認したりできますので、ご相談ください。

 

 

■低血糖の治療は?
足りない糖分を補充することが第一です。

血液中へ直接糖分を注射し、全身に行き渡らせます。

血糖値や食欲が安定するまで入院管理になることもあります。

治療はその疾患毎に異なります。

 

 

■血糖値が下がり過ぎた場合はどうしたら良いの?
当院は24時間救急外来がありますので、

低血糖かな?と思った場合、まずはご連絡ください。

 

病院に来る前にできる応急処置としては砂糖水やガムシロップ、

ブドウ糖など糖分を舐めさせたり、歯茎に塗ったり、舌の下に入れたりします。

一度にたくさんは難しいので少しずつで大丈夫です。

当院まで距離がある、時間がかかる場合は応急処置として実施しましょう。

 

 

最後に
低血糖について書きました。

低血糖は処置が遅れると命に関わる緊急性の高い状態です。

少しでも「大丈夫かな?おかしい?」と思ったらいつでもご相談ください。

もちろんそれ以外でも、些細な症状が病気のサインのこともあります。

獣医師にお気軽に聞いてください。

 

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