もりやまTOPICS

TOPICS

  • HOME
  • もりやまTOPICS

2025.03.15

獣医師

わんちゃんの白内障について

こんにちは!獣医師の宮平です。

 

この間まですごく寒かったのに、急に昼間は暖かくなりましたね。

我が家でも愛猫が丸まらずに寝てるのを見て、春を感じています🌸

 

 

 

春といえば、わんちゃんたちの予防シーズンです💉

 

狂犬病予防接種や、フィラリアやノミダニの予防も始まるので、久しぶりに病院に行こう!という方も多いのではないでしょうか。

 

ついでだから最近の気になることを先生に質問しておこう。

 

何かないかな、、歳をとって少し目が白くなってきたような気もするな、、本犬は特に変わらない様子だけど、、

というような相談を、飼い主様から受けることが増えるんです👀

 

 

なので、今月のブログでは、わんちゃんの「白内障」についてお話したいと思います。

 

 

⭐︎白内障とは?

 

目の中にある水晶体という部分が白く濁ってしまう病気です。

水晶体は目のレンズの役割なので、水晶体が濁ると視力低下を引き起こします。

 

 

 

⭐︎原因は?

加齢性
遺伝性
外傷性
糖尿病性 など

 

 

人では加齢性が多いですが、わんちゃんは遺伝性の場合も多いと言われています。

 

 

⭐︎診断するには?

視覚確認
スリットランプ検査 など

他にも眼圧測定、眼エコー検査、眼底検査によって併発疾患がないか確認する場合もあります。

 

 

また、白内障は進行の程度によってステージ分類がされています。

散瞳(瞳孔を広げる)させる点眼の後にスリットランプを用いて判断します。

 

①初発白内障
水晶体全体の10%程度に混濁あり、視覚あり

 

②未熟白内障
水晶体の混濁が広がっているが100%ではなく、視覚あり

 

③成熟白内障
水晶体が完全に混濁し、視覚なし

 

④過熟白内障
水晶体が壊れ、中身が溶け出している状態、視覚なし

 

 

また、核硬化症でも目が白く見えることがありますが、核硬化症は加齢性の変化であり、視覚には影響しないと言われています。

 

白内障との鑑別はスリットランプで行います。

 

 

⭐︎治療は?

①初発〜②未熟白内障では定期的に検査を行い、進行スピードや視覚有無について経過観察を行います。

 

また、加齢性白内障では進行を予防する点眼薬を用いることもあります。

 

 

②未熟〜③成熟白内障では白内障手術が適応となります。

 

手術をするとなんと視覚回復も望めます👀

 

術後点眼を頑張れそうか、カラーを付けれるかなどその子の性格や、白内障以外に併発している眼疾患はないかなど目の状態によって手術適応かを判断します。

 

 

③成熟〜④過熟白内障では水晶体が原因で目の中で炎症を起こしてしまうことがあり、炎症を抑える点眼を継続的に行います。

 

 

⭐︎予防法はあるの?

残念ながら完全な予防法は存在しません。

ですので、目を日頃からしっかりチェックして、少しでも白くなってるかも…と感じたら動物病院を受診しましょう👀

 

 

また、当院ではより専門的な眼科診療を行うため定期的に眼科専門外来を開催しています。

 

専門外来ではペテモどうぶつ医療センター名古屋から、

動物眼科専門医の松浦尚哉先生が来てくださっています。

 

受診を希望される方はお気軽にご相談ください👀!

 

 

大事なわんちゃんやねこちゃんたちとたくさんアイコンタクトが取れるよう、サポートできればと思っております🐶🐱

2025.02.15

獣医師

お腹の張りにご注意を?

  • こんにちは、獣医師の内山です!

 

最近は雪も降り、寒暖差の激しい日が続いていますね。

 

体調を崩されている人も多いのではないでしょうか。

 

私自身体調を崩さないように手洗いうがいを徹底して体調管理に努めたいと思います!

 

 

 

 

さて、今回は近年見かけることが多くなった疾患、胃拡張捻転症候群についてご紹介します!

 

 

胃拡張捻転症候群(GDV)とは、文字通り「胃が拡張し捻じれている状態」のことです。

 

それによって血液循環が滞ってしまい、各臓器に血が送れず、低血圧やショック状態を引き起こします。最悪の場合、命に関わるような怖い疾患です。

 

 

では、GDVの原因、症状、治療、対策について順に説明していきます!

 

〈原因〉
・摂食や飲水後の激しい運動
・興奮
・食事の大量摂取
・早食い

 

最も多いのは、大型犬で、ご飯を食べて胃内に大量の食渣がある状態ですぐに運動をすることです。

 

大量の胃内の食渣の消化時に発生したガスにより胃が拡張し、運動した際にパンパンの胃が捻れるというのがこの疾患の代表的な原因です。

 

〈症状〉
・吐きたくても吐けない
・よだれ
・腹部の張り
・腹痛
・可視粘膜が白い

 

吐きたそうにしているが吐けない、気持ち悪そうによだれが出ている、というのがよく聞く症状です。

そういった症状全てがGDVであるわけではありませんが、特に大型犬は注意が必要です!

 

 

 

 

〈治療〉
基本的には外科手術になります。

 

胃内のガスを抜き、それだけで捻じれている状態が解除されることがありますが、ほとんどの症例では外科手術による胃捻転の整復が必要になります。

 

外科手術時のリスクとして、血がうまく循環していなかった臓器に急に血が送られるとショック状態を引き起こす可能性があります。

 

また、時間の経過具合や胃の捻転具合によって、胃が壊死していることもあるため、術中、術後の経過も慎重にみていくことが大切です。

 

 

〈対策〉
・食後の運動は控える
・食事は複数回に分けて少量ずつ与える
・早食い防止グッズを使用する

 

きちんと対策することで、病気を予防していきましょう!

 

いかがだったでしょうか。

 

今回は胃拡張捻転症候群についてでした。

 

大型犬で多い疾患ですが、中型犬でもみられることはあるので、関係ないと思わず、愛犬の様子をしっかりと見てあげてくださいね。

もしかして、、と思ったら、すぐ来院もしくはお電話で相談してください!

2025.01.15

獣医師

猫は仲良くなれない?

明けましておめでとうございます!

 

獣医師の北原優です。

 

年が明けてからは、寒波などの影響もあり寒い日が続きますが皆様のお家の子たちは体調変わりなく過ごせていますか?

 

我が家の猫は恐らく寒さからくるストレスなのか、カゼを引いて元気が無くなり、目が腫れて目ヤニが出るようになってしまいました…

 

目薬をさしてすぐに良くなってきたので今では元気よく過ごしています。

 

 

調子が悪くなった原因には恐らく寒さの以外にも原因があり…同居猫との中の悪さです。

 

今回調子を崩してしまった子は、先住猫との相性がなかなか良くないのです。

 

先住猫の子がパンチをしたり、追いかけまわしたりします。

 

この様に攻撃行動としての問題行動がおこっています。

 

 

 

問題行動というのは、2種類定義があります。

 

・飼い主さんが問題視する動物の正常行動

 

・飼い主さんが問題視する動物の異常行動

 

(異常行動:本来行わない行動、本来の行動頻度が普通と異なる行動)

 

 

この様に問題行動の中には本来猫ちゃんたちの行動特性として正常に表現されるものも含まれます。

 

 

 

猫ちゃんの行動特性としては、

 

・五感と身体能力が優れている

 

・単独で捕食行動を行う

 

・自分の排泄や身体の調子を保つための行動(維持行動)にはとてもこだわる

 

・縄張りを大事にする

 

・コミュニケーション行動もちゃんと行う

 

・行動に対して学習をする

 

ということが挙げられます。

 

 

 

猫ちゃんという生き物はどのような生き物であるのかを理解してあげることがとても大事です。

 

 

家の猫ちゃんたちの相性の悪さによく相談を受けることがありますが、上記の行動特性で生活ができない環境だと問題行動などは発生しやすくなります。

 

ただ家にいる子たちどうしではなるべく仲良く暮らしてほしいと思いますよね?

 

そのためには猫ちゃんそれぞれの縄張りをしっかり確保してあげると叶えられるかもしれません。

 

 

先ほどにもあったように猫ちゃんは単独行動をする生き物なので、それぞれの縄張りがしっかり確保されることで複数頭でも平和に生活することができます。

 

 

縄張りには必要なものがいくつかあります。

 

・食事

・水

・休息場所

・トイレ

・爪とぎ

・おもちゃ

 

が揃っているスペースがあることで猫ちゃんは自分の安全を感じます。

 

 

この生活環境を整えてもらうことで猫ちゃんが安心して暮らせるだけではなく、飼い主さんともより良い社会的な関係を築くことも可能になります。

 

もちろんこれでも上手くいかないケースもあると思います。

 

その時は病院でできる治療の提案になります。

 

 

サプリメントの処方(αカソゼピン:不安解消効果、L-トリプトファン:心の安定効果)があるものや、猫ちゃんが安心する効果のあるフェイシャルホルモンを分泌するグッズを処方させていただくこともあります。

 

 

 

 

 

それでも改善がなければ薬物療法などもあります。

 

 

動物でも薬物治療があると驚かれるかもしれませんが、抗うつ薬や抗不安薬などを使用します。

 

どんな治療が良いかはその子の性格や身体の特徴(性別、年齢や大きさ)によっても変わると思います。

 

もしお家の猫ちゃんの関係性や行動に関してお困りのことがあればお気軽にご相談していただけたらと思います。

 

2024.12.04

獣医師

漢方のお話

こんにちは。

 

獣医師の今瀬です。

 

寒さが厳しくなり、あっという間に今年も残り1ヶ月となりました。

 

冬は中医学的に、”腎(じん)”の働きが弱くなりやすい季節と言われます。

 

腎は、排泄を司る腎臓の働きだけではなく、ホルモンバランスや老化、免疫にも関与し、体を奥底から温める働きもあります。

 

冬の時期は特に腎を養生する事が重要になります。

 

体を温め、乾燥に注意し、いつも以上にしっかり睡眠をとって、元気に新しい年を迎えたいですね。

 

 

 

12月は、中医学と漢方についてのお話をしたいと思います。

 

中医学とは、古代中国の哲学や思想をもとに発展してきた医学のことで、自然とのバランスや体内のバランスを重視し、その子の体質をみながら診断、治療をしていきます。

 

✴︎老齢動物のケア

体に負担のない治療、QOL(生活の質)の向上、老化対策

 

✴︎慢性疾患へのアプローチ

低下した自己治癒力を取り戻す、体質改善

 

✴︎未病へのアプローチ

検査しても異常がないけれど気になる症状がある

 

✴︎養生(健康維持)

再発防止、健康な体づくり

 

 

このような分野が得意です。

 

 

 

★体内の陰陽バランス

 

全てのものごとは、『陰』と『陽』に分けることができます。

 

体内での『陰』の特徴は、体を潤す、冷ます、精神を落ち着かせるなど。

 

『陽』の特徴は、体を温める、循環を促す、精神を興奮させる、活発にするなど。

 

 

『陰が不足』すると、

 

潤いがなくなり乾燥しやすくなる、ほてりなど熱感を感じやすくなります。

 

『陰が過剰』になると、

 

強い冷え症状が現れます。

 

『陽が不足』すると、

 

体を温めることができず冷えを感じやすくなります。

 

『陽が過剰』になると、

 

強い興奮があらわれ、赤みがでる、のぼせなど熱感を感じやすくなります。

 

 

 

『陰陽のバランス』が取れている状態=『健康』です。

 

 

 

四診(目でみる、触れてみる、聞いたり嗅いでみる、症状やライフスタイルを聞いて情報を得る)から、それぞれの臓腑(臓器)について、気血津液の『陰陽バランス』を読み取り、診断し、治療を進めます。

 

 

★気血津液

 

『気』とは、生命活動のエネルギー(動かす、温める、守る、維持する、代謝する)を指します。

 

『血』とは、血液(栄養する、精神を安定させる)を指します。

 

『津液』とは、血液以外の体液(潤す、血液を補給する)を指します。

 

 

漢方は、そのそれぞれについて、足らないものを補ったり、過剰なものを取り除いたりする働きのある生薬を組み合わせて処方されます。

 

老齢のわんちゃんやねこちゃんで、検査では異常がなかったけれど、歳のせいか、なんとなく元気や食欲がなく、よぼよぼしている…足が冷える…

 

ということはよくありますよね。

 

年を重ねるほど、『気』は消耗し、減っていくものですので、『気』が足りない場合は『気』を補う作用のある漢方を使うと、体調を管理しやすくなるかもしれません。

 

 

当院でこのような時によく使う動物用の漢方に『源気』があります。

 

紅景天(ロゼア)

 

人参

 

擬黒多刺蟻

 

五加皮

 

ヨクイニン(ハトムギ)

 

という生薬が調合されていて、元気回復、体力増強、免疫調節、老化防止などが期待できます!

 

 

 

その他、症状に応じて、さまざまな漢方がありますので、気になる方は是非、お問い合わせ下さい!

 

 

2024.11.15

獣医師

ねこちゃんの膀胱炎

ハロウィンから半月、朝夕の気温が下がってきましたね。

 

こんにちは獣医師の大澤です。

 

 

季節の変わり目は、動物たちも人と同様にストレスを感じていると言われています。

 

 

ストレスを感じるとどうなるか…?

 

 

それぞれの個体にもよりますが、やはり体の中の弱りやすい部分に症状がでることがあるみたいです。

 

 

特に、ネコちゃんでは膀胱炎になりやすいということが知られています。

 

 

今回はそのネコちゃんの膀胱炎について少しご紹介したいと思います。

 

 

 

 

 

膀胱炎は原因によって種類が分けることができます。

 

 

細菌の感染による膀胱炎

 

結石が関与している膀胱炎

 

原因のメカニズムがはっきりわかっていない特発性膀胱炎

 

 

というものもあります。

 

 

 

みっつめの特発性膀胱炎とは、ストレス要因が関与しているといわれています。

 

 

そのため春先や秋といった、気圧、温度、湿度の変化のある季節の変わり目に発症することがあります。

 

 

その症状とは…

 

 

●トイレに何度も行く

 

●排尿姿勢をとるが、尿が出ない。出るとしてもポタポタと少量のみ

 

●血尿がでる

 

●排尿後に痛そうな声をあげる

 

 

といったものなどです。

 

 

病気の治療はストレス要因への対処となりますのでお薬やご飯、サプリメントやおうちのおトイレ環境の見直し…

 

といったことまで考えなければなりません。

 

 

おトイレの見直し!?そうなんです!

 

 

動物たち、特にネコちゃんは自分のおトイレに対してはとてもこだわりがあります!

 

 

清潔で、静かで、広々として、ほかの動物からの視線を感じないようなおトイレがよいとされています。

 

 

とはいえ、ネコちゃんをトイレのたびに広大な鳥取砂丘まで連れて行ってあげる訳にはいきませんので、どういったものが好ましいのか?という指標を一部ご紹介します。

 

 

 

 

 

◯静かで人通りのないところへの設置

 

◯飲食する場所から離れているところへの設置

 

◯戸建ての場合、各階へ設置

 

◯少なくともネコちゃんの頭数+1個のトイレを、各々違う場所に設置

 

◯その子の好みに合わせた砂の使用すること

 

◯用を足したらすぐに清掃

 

◯こまめな砂の交換

 

 

…書き出すと、なかなか細かいですね!?

 

 

しかし、当の本人(猫)にとっては大事なことですので、いちど見直ししてみることをオススメします。

 

 

 

 

因みに↑こちら当家のおはぎちゃんは、おトイレは大と小で分けて使用しています。

 

 

何故か小は砂ではせずに、フカフカした毛布のようなところでしたくなっちゃうようなんですね〜。

 

 

個体差、といっても色々あります。

 

 

おうちのこにとってのベストトイレットを、どうか探してあげてください!

2024.10.12

獣医師

健診の秋

皆様こんにちは

 

獣医師の田宮です。

 

10月に入り、外気温が大分涼しくなってきました。

 

私の愛犬も快適にお散歩に行けるような気候になり嬉しさのあまり可愛いしっぽがうずきます。

 

 

さて、秋といえば【健診の秋】です

 

今年も10月は秋の健康診断キャンペーンを承っております。

 

 

「わんちゃん、ねこちゃんの1年は、人間に例えると約4年」と言われています。

 

一見健康そうに見えても気付いた時には病態が進行していることもあります。

 

動物たちは体調を隠す習性がありますので、【定期的な健診】が大切です!

 

血液検査をして腎臓や肝臓など内臓の数値をみたり、レントゲンで臓器の大きさをみたりすることで病気を探ります。

 

また、糞便検査をすることで腸内細菌のバランスを確認すること、尿検査で腎臓の機能の評価や尿路結石などがないかを見ることができます。

 

 

 

そんな健康診断の中で【血液で心臓を評価する】ことのできる心臓マーカーを紹介したいと思います。

 

心臓負荷の刺激により主に心臓で産生されるペプチドホルモン【ANP/BNP】を測定することにより、心臓に負荷がかかっているかを調べることができます。

 

 

例えば咳や呼吸不全などの呼吸器系症状がみられる際に、心臓が原因か、それ以外の原因かを判定することができます。

 

ヒトでは心疾患の重症度に相関して上昇するとされ、重症度の把握、心疾患の除外診断、治療効果の判定などに利用されています。

 

ワンちゃんねこちゃんでも、この数値を測定することで心臓病が見つかることがあるのです。

 

 

実際の心臓の評価はレントゲンやエコー検査などですが、健診でこの数値が上がる場合は心機能評価を進めていくことができますので、早期発見に繋がります。

 

 

こんな症状は要注意!?

 

①心臓の雑音があると言われた

 

②呼吸がおかしい

 

③咳をする

 

④疲れやすくなった

 

⑤寝ていることが多くなった

 

これらの症状は他の疾患や加齢に伴なうこともありますが、心臓病の一端である可能性もあるので、一度受診しましょう。
 

心臓病は普段生活している中では発見しづらい病気でもあります。

 

 

最近ではヒトですが、「お医者さんで心音チェック」という心臓病の定期健診をオススメするCMも流れています。

 

発見のきっかけは聴診ですが、この小さな心音がとても大きな病気の治療や予防につながります。

 

 

秋の健康診断は10月末まで実施しております。

 

 

この機会に健康診断を受けてみてはいかがでしょうか?

 

 

ワンちゃんの心臓病についてはこちらをお読みください

↓↓↓

ぼくの心臓わたしの心臓大丈夫??

 

秋の健康診断の詳細はこちらをご覧ください
↓↓↓

【🍁秋の健康診断キャンペーンのお知らせ🍁】

2024.09.15

獣医師

緑内障について

こんにちは!

 

獣医師の江場です。

 

9月に入りまだまだ残暑が厳しい日が続いていますね。

 

皆さま体調を崩したりしていないでしょうか?

 

私は昔から暑さが苦手で、基本的に夏はインドアです。

 

たまに外出すると夏の暑さにやられてしまいます‥

 

秋の季節まであと少し、夏バテしない様に乗り切りたいと思います!

 

 

 

前置きはさておき、
今月は「緑内障」という病気についてお話ししようと思います。

 

 

眼の中には「眼房水」という水が溜まっています。

 

 

この眼房水は「毛様体」という場所から一定量産生される一方で、「隅角」という場所から一定のペースで排出されており、眼の張り・圧力を保っています。

 

 

この眼の圧力の事を「眼圧」といいますが、

 

様々な原因によって眼圧が異常に上昇することによって、

眼が内側から広げられる事で様々な症状を引き起こす病気が緑内障です。

 

 

 

緑内障の症状としては以下のものがあります。

 

・眼を閉じたままでいる

・ウインクする様に頻繁に眼をショボショボさせる

・涙が多く目の周りが濡れている

・眼の近くを触ると嫌がる、怒る

・元気・食欲がない

・目が白っぽく濁る、緑色に見える

・眼が充血している

・物にぶつかるなどする、眼が見えていない

 

などです。

 

 

緑内障の好発犬種は、

柴犬、シー・ズー、アメリカン・コッカー・スパニエル、トイ・プードル、チワワ、パピヨン

などが挙げられます。

 

 

 

緑内障になる原因は様々ありますが、

 

遺伝的な素因によって隅角に構造的な異常が出てしまう原発性緑内障の場合と、

 

白内障、ぶどう膜炎、水晶体脱臼、眼内腫瘍などから続発して起こる続発性緑内障の場合があります。

 

緑内障の診断は

・眼圧測定機で眼圧上昇の程度を確認

・スリットランプを使い眼の前部の評価

・眼底検査

・眼エコー検査で網膜の損傷度合いを評価する

 

などを行い診断します。

 

 

緑内障の治療については

 

点眼薬を数種類点眼し正常な眼圧を維持していく点眼治療や、眼圧下降作用のある点滴を使い緊急的に眼圧低下を行うなどの内科治療があります。

 

内科的治療は麻酔をかけたり手術を行う必要はありませんが、

眼圧が上昇しない様に基本的には生涯点眼を行う必要があります。

 

 

一方で外科的治療法には

 

目の中に医療用のチューブを設置し眼房水排出する経路を作るバイパス術、

 

眼の中の組織を除去しそこに医療用のシリコンボールを挿入するシリコンボール挿入術、

 

硝子体にゲンタマイシンという薬剤を注入し、毛様体を破壊し眼房水産生を抑える硝子体内ゲンタマイシン注入術、

 

眼球を全て摘出する眼球摘出術

 

 

などがあります。

 

 

どの治療法を選択するかは症状が出てからの経過時間、視覚が温存されているか、内科的な治療に対する反応があるか、などで大きく変わってきます。

 

 

緑内障は非常に痛みが強い病気で、対応が遅れれば視覚を失う可能性もあります。

 

 

普段とても大人しくお利口な子が痛みのあまり怒って噛みついてしまうほどですので、できるだけすぐに痛みを緩和し、視覚を守ってあげなければいけません。

 

 

もしも先に挙げた様な症状が見られた場合はあまり様子見したりせず、一度病院にご相談下さい。

2024.08.15

獣医師

骨折には要注意

皆さんこんにちは。

 

パリオリンピックを見ていて「無課金おじさん」の渋さにやられてしまった獣医師の三浦です。

 

将来あんなクールなおじさんになりたいものですね

(もうすでにおじさんなのではないかという声はスルーします)。

 

 

 

さて、私は当院で整形外科診療を担当することが多いので、様々な疾患に出会うことがあります。

 

小型犬に多い「膝蓋骨脱臼」、大型犬に多い「股関節形成不全」、ダックスフンドに多い「椎間板ヘルニア」などです。

 

その中で今回お話しようと思うのが、犬の「骨折」についてです。

 

動物病院に来るわんちゃんの骨折のほとんどが、「超小型犬(トイプードル、ポメラニアンなど)」の「前足」の骨折です。

 

 

 

 

「抱っこしていたら飛び降りてしまった」

 

「ソファからジャンプして着地に失敗した」

 

このような理由が最も多いです。

 

しかし中には…

 

「遊んでいたら足を滑らせてしまった」

 

たったこれだけの事でも骨折をしてしまうケースもあります。

 

最近は大人でも2kgにも満たないとても小さなわんちゃんも目にしますが、こういった子達は特に骨折リスクが高くなります。

 

もちろん個体差はありますが、超小型犬の骨の太さは5mmもありません。

 

成長期ともなると骨もまだ柔らかい部分があります。
大人の膝の高さから落ちただけで骨折してしまうこともあるくらいです。

 

 

 

そこで、骨折を防ぐためにお家で気を付けていただきたい事を何点かお伝えします。

 

まず第一に、小さなわんちゃんを抱っこする時はとても繊細なものを扱うよう細心の注意を払ってください。

 

可愛さのあまり勢いよく抱き上げてしまいそうにもなるかも知れませんが、わんちゃんが驚いて暴れてしまい落下してしまうこともあります。

 

またあまり高く抱き上げるとそれも怖がって暴れてしまうことがあるので、床に膝を着いて抱っこするくらいがいいかもしれません。

 

 

お子様がいらっしゃるご家庭では、子犬を一人で抱っこさせないよう必ず保護者の方が見守ってあげてください。

 

命の大切さを学ぶために小さなわんちゃんを抱っこすることはとても重要なことだと思います。

 

ただそれをする時は、簡単に怪我をしてしまうから優しく優しくしてあげるよう、大人から教えてあげてください。

 

しかしたとえどんなに気を付けていても、それでも骨折が起きてしまうこともあります。

 

そんな時はすぐに当院へ駆けつけてください。

 

当院では様々整形外科疾患に対応が出来るよう設備を整えております。

 

怪我をしてしまった動物を治し、また元気に走り回れるようにするためスタッフ一同全力でサポートいたします!

2024.07.15

獣医師

夏の皮膚病

こんにちは。獣医師の飯田です。

 

梅雨も明けて、外に出ると汗が滴ってくる暑さになってきましたね。。

 

そんな暑い夏の皮膚病として多いのが「マラセチア皮膚炎」です。

 

 

 

皆さま「マラセチア」というのをご存知でしょうか。

 

マラセチアは皮膚表面に生息するひょうたん(ピーナッツ)のような形をした酵母様真菌(カビ)です。

 

 

※顕微鏡画像

 

カビといっても人や他のわんちゃんに感染ったりはしません。

 

普段は皮膚の常在菌として脂肪酸などの皮脂を栄養源にして生活をしていますが、

 

さまざまな原因でマラセチアの栄養源である皮脂が多い状態が続いたり、

 

皮膚の状態が悪くなったりするとマラセチアの異常増殖が起こり、

 

皮膚炎を引き起こしてしまいます。

 

これをマラセチア皮膚炎といい、皮膚の赤みや痒み、ベタつきが出て、独特なにおいを発します。

 

 

 

夏のような高温多湿な気候、

 

コッカー・スパニエル、シーズー、ビーグルなどの脂の多い犬種

 

に出やすいですが、

 

他にも犬アトピー性皮膚炎、食物アレルギー、甲状腺機能低下症などを基礎疾患として持っていると

 

マラセチア皮膚炎も発症しやすくなります。

 

 

 

治療にはマラセチア自体を倒すことも大事ですが、栄養源である脂のコントロールが最も重要になってきますので、

 

・食事管理、サプリ、運動、ストレス緩和などで脂の分泌量を減らす

 

・クレンジング、シャンプー、保湿などのスキンケアで脂を落とす

 

・薬で皮膚の炎症を抑える

 

 

・基礎疾患があればそちらのコントロールをしっかり行う

 

この辺りがポイントになってきます。

 

 

 

皮膚病はひとりひとり状態や背景が異なりますので、

 

同じマラセチア皮膚炎だからといって同じ治療をしても治らないことがよくあります。

 

それぞれのわんちゃん、ご家族に合わせた治療、ケアが必要になってきますので、

 

診察の時にご相談ください。

 

 

 

 

また、マラセチア皮膚炎はシャンプーを含めたスキンケアが重要になりますので、

 

ご自宅でシャンプーが難しい子は、ケアセンターで行なっているメディカルスキンケアコースも

 

ぜひ利用していただくと良いと思います!

 

 

 

夏に多い皮膚病をコントロールしながら、一緒に快適な夏を過ごしていきましょう!

2024.06.13

獣医師

暑い時期の始まり

こんにちは!獣医師の鈴木です。

 

暑い時期になってきましたね。6月なのに30℃を超える日も・・・

 

20年以上愛知県に住んでいますが毎年暑くなるばかりです。

 

 

 

暑い時期に注意してもらいたいのが熱中症です。

 

 

人はもちろん熱中症になるリスクはわんちゃんねこちゃんにも同じ様にありますし、人よりもリスクが高い場合もあるので今回は熱中症についてお話したいと思います。

 

 

わんちゃんねこちゃんは人と違って汗を出す汗腺が肉球にしかありません。

 

そのため体温調節にはハアハアとした早い呼吸や涼しい場所や風に当たることで体を冷やし体温を調節しています。

 

この体温調節機能のうち呼吸で体温を下げることが苦手なのは、フレンチブルドッグやパグなどの短頭種と呼ばれる種類です。

 

もともと体に対する気管が細く、呼吸するときにいびきをかくような短頭種気道症候群の場合はさらに注意が必要です。

 

涼しい場所や風にあたることで体温を調節することが苦手なのが長毛のわんちゃんねこちゃんです。

 

もともと寒い地方に対応した体毛を持ち、長い毛が断熱材として機能してしまいます。

 

体外に熱を逃がし体温を下げることが苦手です。

 

 

追加で注意が必要なのは肥満体系や興奮しやすい場合です。

 

皮下脂肪が断熱材の役割をしてしまうのと、首周りの脂肪が呼吸をしづらくしてしまうので注意が必要です。

 

興奮してしまうと体温が上昇するため注意が必要です。

 

 

 

実際に熱中症になってしまった場合には、

 

・ハアハアと辛そうに呼吸をする

 

・体温が高くなる

 

・元気がなくなる

 

・吐いて下痢してしまう

 

 

 

より重症の場合は、

 

・発作を起こす

 

・意識がなくなる

 

・チアノーゼになる(舌や粘膜が紫色になる)

 

 

などの症状がみられます。

 

 

もしこのような症状を認めた場合はすぐに病院に連れてきてもらうようにしてください。

 

 

病院に着くまでの間に体温を下げるために、涼しい場所や濡れタオルなどで体温を下げ、意識がしっかりしていて水が飲めそうなら水を飲ませてあげてください。

 

意識がなくぐったりしている場合は無理に水を飲ませる必要はありません。

 

病院に着いたらすぐに体温測定や血液検査などをさせてもらい点滴や体温を下げてあげることで熱中症の治療をしていきます。

 

 

 

ただ、熱中症になってから治療するのではなく、予防が一番重要になってきます!

 

暑くなりはじめの時に注意が必要です

 

夏本番ではもちろん暑さ対策をしていたがいていると思いますが、今の時期くらいから熱中症の注意が必要になります。

 

 

 

熱中症が発生しやすく注意するべき3つの状況をご紹介します。

 

① 散歩に行くのは朝早い時間や日の入りから1時間以上経過してから行くようにしましょう

 

散歩で興奮しやすいわんちゃんは人通りや、ほかのわんちゃんの少ないルートを選ぶことや散歩の時間も短めにしてあげることも必要です。

散歩前にアスファルトの温度を触って直接確かめてから行くことをおすすめします。

 

 

② 短時間でも車内で待たせるのもやめましょう 

 

人でも赤ちゃんの死亡事故も発生しており、犬猫でも注意が必要です。

 

エアコンをつけていない車内は日光によって急激に温度が上昇します。

 

なるべく一緒にいてあげるようにしてください。

 

 

③ 家の中でも注意が必要です

 

日光のあたる部屋や閉め切った風通しの悪い部屋では気温が上昇しやすく熱中症のリスクがあります。

 

ゲージも直接日光に当たらないようにしましょう。また水が自由に飲めない状況も脱水から熱中症へつながるので水飲み場を複数個用意してあげましょう。

 

 

 

熱中症は命にかかわる危険な病気です。しっかりと暑さ対策をしていきましょう。

 

 

 

最後に我が家のにゃんこを紹介して終わりとさせていただきます。

 

 

隠れているつもりで頭だけかくしているシルクちゃんです。

 

Copyright©もりやま犬と猫の病院 All rights reserved.