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2024.01.05

獣医師

肥大型心筋症とは

新年明けましておめでとうございます!

 

獣医師の泉對です。寒い日が続いておりますが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。

 

 

我が家の愛猫2匹は暖かいお部屋でぬくぬくと過ごしております。

 

ハチワレちゃんが「おさら」男の子、黒猫ちゃんが「のぞみっち」女の子です。

 

ふたりとも保護猫ちゃんです。とても可愛いですよね!

 

歴代我が家にいた子たちも紹介させてください。

 

こちらが「すりっぱ」男の子

 

 

そしてこちらが「ふるふる」男の子です。

 

やはりどちらも保護猫ちゃん、保護犬ちゃんです。

 

いやーやっぱり可愛いです!

 

 

私は名古屋に来る前は東京にいて獣医師として働く傍ら、保護団体に所属し、わんちゃんを保護してから新しい家族が見つかるまでの一時預かりをするボランティアをしておりました。

 

ふるふるはその縁で我が家に来た子で、病気をたくさん持っていて高齢だったこともあり、なかなか家族が見つからず、そのまま泉對家に迎え入れることになった子です。

 

すりっぱもふるふるも天寿を全うし、今は天国にいますが、ふたりとも心臓の病気がありました。

 

すりっぱは肥大型心筋症、ふるふるは僧帽弁閉鎖不全症という病気で、どちらもそれぞれ猫ちゃんわんちゃんで1番多い心臓の病気です。

 

前置きが長くなりましたが、今回は猫ちゃんの肥大型心筋症についてお話したいと思います。

 

僧帽弁閉鎖不全症についてはこちらをご覧下さい。心臓の機能などについても分かりやすく書いてあります!

 

ぼくの心臓わたしの心臓大丈夫??

 

肥大型心筋症のこわいところは、症状が何もなく、聴診しても心雑音が聴こえないこともしばしばあるということです。

 

無症状で心雑音のない猫ちゃんの11〜16%に認められるという報告もあります。

 

けっこう多いですよね。

 

 

◎肥大型心筋症とは

左心室の心筋が進行性に分厚くなっていく病気です。心臓は血液を全身に送り出すポンプの役割をしているのですが、心筋が厚くなると左心室の部屋が狭くなり、うまく全身へ血液を送り出すことができなくなります。

 

 

◎原因はなに?

遺伝的な要因が考えられていますが、メイン・クーン、ラグドール、アメリカンショートヘア、ノルウェージャン・フォレスト・キャット、ブリティッシュ・ショートヘアー、スコティッシュ・フォールドなどの純血種の他、短毛のMix猫にも多く、詳しくは分かっていません。

 

 

◎どんな症状が出るの?

症状がない子も多いですが、進行してくると

・疲れやすい

・咳

・開口呼吸

などが見られます。猫ちゃんは通常開口呼吸はしません。この症状が出たときはかなり苦しいときです。

 

また動脈血栓塞栓症といって、血栓が血管に詰まる病態を突然発症することもあります。

 

これは死亡率も高いこわい病態で、後ろ足の血管に詰まることが多いのですが、

・突然後ろ足が動かなくなる
・痛がる
・足先が冷たい

などの症状が出ます。

 

 

◎どんな検査をするの?

・身体検査

聴診をして心雑音など異常がないか確認します。

前述の通り、心雑音がなくても肥大型心筋症ではないとは言えません。

 

・心臓のエコー検査

心筋の厚さ、弁の動き、血流、心臓の収縮力などを見ます。肥大型心筋症の診断の上で、エコー検査は欠かせません。

 

・レントゲン検査

心臓の全体的な大きさ、肺などの評価をします。肥大型心筋症は心筋が内側に厚くなり、全体的な心臓の大きさは正常なことも多く、レントゲン検査だけでは除外できません。

 

・血液検査

その他内臓の病気がないか確認します。

高齢の猫ちゃんで多い甲状腺機能亢進症や腎臓などの病気があると、そのせいで心筋が厚くなることがあります。

また、心臓に負担がかかると上がってくる数値をみたりすることもあります。

 

・血圧測定

高血圧から心筋が厚くなることがあります。

 

・心電図検査

不整脈がないかなどをみます。

 

◎治療はなに?

肥大型心筋症を根治させる治療法は残念ながらありません。

基本的には心臓の負担をとる薬などを服用し、進行を抑えていく治療となります。

また、普段の生活に気を付けて頂くことも大切で、

・塩分の多い食事
・急な体重の増加
・急な温度や湿度の変化
・過度な運動

は心臓に普段がかかるので、避けるように注意が必要です。

食事に関しては処方食を出すこともあります。

 

 

いかがでしたでしょうか?

 

猫ちゃんの心臓の病気で1番多い肥大型心筋症ですが、症状がなく通常の検査だけでは見つけることが難しい場合もあります。

 

心臓の病気は命に直結するだけに、早期発見、早期治療がとても大切です。

 

因みにすりっぱは肥大型心筋症と甲状腺機能亢進症と両方あったのですが、内服薬を飲んで長生きすることができました!

 

わんちゃん猫ちゃんが元気に長生きできるよう、全力でサポートしたいと考えております。

 

何か気になることがあればいつでもご相談下さい!

2023.12.08

獣医師

しこりに注意!

皆さん、こんにちは。

 

獣医師の内山です。

 

最近、ぐっと寒くなる日が増えて、寒暖差に驚いています。

 

 

冬支度が進み、ついに我が家でもコタツが登場しました。こんな寒いときは、おうちのワンちゃんやネコちゃんをつい抱っこしたしたくなりますよね。

 

そこで、ふと、

 

あれ?なんか、体にできものある??

 

と、愛犬、愛猫の体を触っていて初めて体にしこりやできものが出来ていることに気づいたことはありませんか。

 

今回は、そんな「体にできるしこりやできもの」についてご説明します。

 

 

 

 

 

はじめにどんな病気があるかご紹介します。

 

①脂肪腫

皮膚の下にできる脂肪の塊で、良性の腫瘍です。

加齢と共にでてきたり、増えたりすることが多く、大きさが変わらない場合は、基本無治療で様子を見ることが多いです。

しかし、徐々に大きくなったり、できる場所によって歩行の邪魔になる場合は、外科切除を行います。

 

 

②皮脂腺腫

 

いわゆる「イボ」です。

皮脂腺の細胞の異常増殖によってできる良性腫瘍です。

加齢性に出てきますが、特にトイ・プードルやシーズー、コッカースパニエルに多いです。

凍結療法や外科切除で治療をします。

 

③皮膚組織球腫

組織球という細胞の増殖した皮膚にできる良性腫瘍です。

3歳以下の若齢犬で多く、手足や頭部にできるドーム状の見た目のしこりです。

ほとんどの場合、1、2ヶ月で、自然に小さくなっていくことが多いです。

 

 

④肥満細胞腫

肥満細胞という免疫関わる細胞の悪性腫瘍です。

見た目や発症年齢は様々であり、ボストンテリアやパグで発症が多いです。

治療の第1選択は、外科切除ですが、他の臓器に転移している場合や悪性度によって放射線治療や内科治療も併用していきます。

 

 

⑤乳腺腫瘍

文字通り乳腺の腫瘍です。

未避妊の女の子に多く、良性、悪性共にありますが、確定診断は病理検査が必要になるため、完全に切除しなければなりません。

悪性の場合は、再発や転移に注意が必要です。

 

⑥リンパ腫

リンパ球という免疫に関わる細胞の悪性腫瘍です。

中高齢の子で多く、皮膚にできるもの、内臓にできるもの、様々なタイプがあります。

一般的には、抗がん剤での治療となっていきます。

 

 

 

いかがでしたでしょうか?

 

単にしこりやできものといっても様々な病気があります。

 

 

動物病院では、細い針で吸引して細胞をとり、顕微鏡で観察して診断していきます。

 

 

それだけで確定診断できない場合、全体的に切除して、病理検査を行ったり、血液検査や画像検査で総合的に判断していきます。

 

 

できものやしこりは、見た目だけでは判断できないことが多いです。

 

 

早期の発見や対応によって、結果が変わる場合もあるため、自己判断せず、早めに病院に連れてきてください。

 

 

予防として毎日体を触ってあげたり、健康診断に連れて来ていただいてワンちゃんネコちゃんの健康を共に守っていきましょう!

 

なんでも相談に乗りますので、お気軽にお声掛けください!!

 

 

2023.10.26

獣医師

「震え」に気をつけよう!

こんにちは、獣医師の佐々木です(=^x^=)

 

最近急に肌寒くなってきましたね〜

 

半身浴が好きなのですが、ついついお風呂に入りすぎちゃいます(・_・;

 

季節の変わり目は風邪を引きやすいですよね。

 

人間だけではなく、ワンちゃんねこちゃんも同じで、調子を崩しやすいので要注意です。

 

 

 

さて今日は、寒くなってきたことにちなんで、
『震え』についてお話ししたいと思います。

 

 

「なんだか今日はずっと震えている…」

 

 

実はこの症状で病院に来院されること、とっても多いんです。原因がはっきり分からない症状なので、不安になりますよね。

 

それでは震えの原因について説明していきたいと思います。

 

 

 

①痛み

痛みから震えるケースは非常に多いです。

特に、腰痛や頸部痛の場合、突然痛みが出てくる可能性もあります。病院では、全身を丁寧に視診と触診をすることで、痛い場所を特定します。

 

 

②寒い

単純に体温調節のために震えることも少なくありません。

特に、体温調節が苦手な子犬や老犬は体温が下がりすぎないように、暖かい環境をつくってあげましょう。

 

 

③発熱

感染症や熱中症など、熱が高くなると震えることもあります。

抱っこしていつもより熱い、と感じたら熱があるかもしれません。

 

 

④吐き気や中毒

「気持ち悪い」と思っている時も震えが出ることがあります。

何か誤って食べてしまったあとに震えていたら、中毒症状の可能性もあります。

よだれが出ていたり、繰り返し嘔吐をしている場合は緊急性が高い可能性があります。すぐ病院へ連れて行きましょう。

 

 

⑤恐怖、興奮

精神面から震えることももちろん多いです。

動物病院に来ると、怖くて震えちゃう子、たくさんいますよね。

逆に嬉しくて仕方がない時、興奮している時も、震えることがあります。

 

 

⑥低血糖

「飼い始めた子犬子猫がご飯も食べない、震えている」

要注意です。

血糖値が下がりすぎているかもしれません。すぐに病院に行きましょう。

 

こどもじゃなくても、病気や栄養不良で大人の子が低血糖になることもあります。
 

 

いかがでしょうか。

 

本当にいろんな原因で『震え』が出る可能性があることが伝わっていただければとおもいます。

 

場合によっては緊急性が高いケースもありますし、緊急性がなくても、痛みや気持ち悪さがある場合はできるだけ早めに対処してあげたいですよね。

 

「この震え方はいつもと違うな…」

 

そう感じる場合は、できるだけ早めに病院へ連絡してくださいね。

 

 

うちの子は元気いっぱいだ!という場合も、病気が隠れている可能性があります。

 

 

 

当院では現在、【秋の健康診断キャンペーン】を行っております。

 

 

健康診断できるだけではなく、その子に合わせて獣医師が選ぶフードのプレゼントやワンちゃんとの記念撮影など、嬉しい特典が付いているのは、秋の健康診断だけです!

 

 

 

是非この機会に健康診断してみてはいかがでしょうか?

 

 

来院、是非お待ちしております。

 

2023.10.03

獣医師

それ歳のせいだと思っていない? 今年も開催!〜秋の健診〜

 

こんにちは!😊

 

 

獣医師の吉田と申します!

 

 

まだまだ蒸し暑く眠れない日が続くなーっと思ったら急に夜は冷えるようになりましたね🥵

 

こんな急激な気温の変化は体調が悪くなりやすいので、

 

人だけでなく、わんちゃん猫ちゃんも注意が必要ですね💦

 

 

 

突然ですが、

 

みなさんのお家のわんちゃん猫ちゃんに

 

このような様子はないですか??🐶😸

 

・最近、なんだか元気がないな〜

・最近、昔に比べて太りやすくなったな〜

・なんだか前よりも水飲む量が増えてきたかも。。

 

これらの症状、夏バテだったと思っていなかったですか??

 

 

動物たちもシニア期(7歳以上)になると、

 

 

 

ホルモンの病気(甲状腺、副腎)や腎臓病が多くなります。

 

 

 

これらは動物たちがサインを出してくれることもありますが、

 

 

私たちが気付けず、だいぶ時間経ってから出てくることもあります。。

 

 

では、各病気のサインとはなんでしょうか?

 

 

以下にまとめましたので参考にしてください!

 

 

 

【甲状腺機能亢進症😸】

 

 

・高齢猫に多い

 

・痩せる

 

・攻撃的になる

 

・皮膚が薄くなる

 

 

甲状腺ホルモンが多いと、

 

肝臓(肝酵素上昇)、

 

消化器(多食、下痢、嘔吐)、

 

泌尿器(高血圧、多飲多尿)、

 

循環器(頻脈、心筋肥大、心不全)

 

などの病態を引き起こしてしまいます。

 

 

ですので早期治療を行い、これらの合併症の管理が大事となります。

 

 

 

【甲状腺機能低下症🐶】

 

・体重増加

 

・しっぽの先の毛が抜ける

 

・動きたくなるなる

 

・元気がなくなる

 

・寒さに弱くなる

 

 

甲状腺ホルモンが少ないと、

 

上記のような犬の健康に影響を与える可能性があるため、

 

病状が進行する前に早期の診断と治療が重要です。

 

血液検査で診断可能であり、治療は内服薬(甲状腺ホルモン補充療法)を用いることが一般的です。

 

 

 

 

【副腎皮質機能亢進症🐶】

 

・水飲む量やおしっこの量が増える(多飲多尿)‼️

 

・お腹が張ってくる

 

・痒みのないのに毛が抜ける

 

・左右対称の脱毛

 

・皮膚が薄くなる

 

 

別名クッシング症候群とも言われます。

 

 

 

特に一番上の症状(多飲多尿)があったら注意が必要です。

 

 

副腎から出るホルモンの数値を測定する検査して、

 

 

 

数値が高ければ、内服薬を用いて治療します。

 

 

治療しないと、糖尿病など他の病気を引き起こしてしまう危険性もあります。

 

 

 

【腎臓病(腎不全)🐶😸】

 

・おしっこの量が増える

 

 

・水飲む量が増える

 

・尿路結石がある

 

・急に体重が減った

 

・吐き戻しが増えた

 

 

 

血液検査では、腎数値(Cre、BUN)を見ますが、これが異常でる頃にはすでに70%異常の機能が失われた状態です。

 

 

 

今は、SDMA、シスタチンCといった項目のようにそれ以前から異常値が判断できるものもあるので、

 

 

より早期発見・治療ができるようになりました!

 

 

 

血液検査だけでなく、尿検査、画像診断と組み合わせて診断します!

 

また、合併症として、

 

高血圧、貧血、口内炎、胃潰瘍、便秘

 

があります。

 

 

この中でも、高血圧は網膜剥離、心不全など

 

 

他の臓器にも影響を及ぼしてしまうことがあるので要注意です。

 

特にワンちゃんは、腎臓病と診断されてからの悪化が早いので、早期発見早期治療が大事です。

 

 

 

 

ですので、【定期的な健康診断】が大事となります!

 

 

そこで!

 

 

おすすめなのが、『秋の健康診断』です!

 

🍁今年も10月1日から31日まで、毎年恒例の秋の健康診断キャンペーンが始まります🍁!🍁

 

ワンちゃん・ネコちゃんの1年は、

 

人間にとっての4〜5年に当たるため、

 

半年に1回の検診を推奨しています。

 

特に今回の秋の健康診断キャンペーンでは、

 

甲状腺や腎臓、心臓などに関しても検査できるので、

 

体調が心配な方はもちろん、

 

まだまだ元気に見える子たちも、

 

是非この機会にチェックしてあげてください!

 

(わんちゃん、猫ちゃんからの小さなメッセージを受け取ってあげてください💌)

 

 

獣医師と一緒に、無理なくできる範囲で、

 

早期発見・早期治療や予防を二人三脚でしていきましょう!

 

中には、フードを変えることで予防できる病気もたくさんありますからね!

 

※健康診断を受けた子は適したフードがもらえます!✨

 

 

わんちゃんねこちゃんが、健康に楽しく長生きしてもらえるように全力でサポートさせていただきますので、

 

些細なことでもぜひご相談くださいね♪😄

 

 

そして我々(人間)も、体調に気をつけてこの季節の変わり目を乗り越えましょう!

 

 

 

最後に、実家の犬(くーちゃん)のワンシーンもお届けします🐶

 

 

暑いから冷たいシートの上にいますね😂

 

 

 

2023.08.31

獣医師

多飲多尿に気をつけよう!

こんにちは、獣医師の高見です。

8月ももう終わりに近づいていますが、まだまだ残暑が厳しい日が続いていますね。

 

熱中症もそうですが、そんな夏の暑さにまけて夏バテになっていませんか?

 

冷房の効き過ぎた部屋にいたり、冷たいものを飲み過ぎたりしていませんか?

 

自分は冷たいものを飲み過ぎて少し夏バテです笑笑

 

皆さんもお気をつけてください。

 

 

 

前を置きはさておき、今日はそんな

【たくさん水を飲む】についてお話しをしていきます。

 

 

たくさん水を飲むことを【多飲】と言います。

 

 

また、たくさんおしっこをすることを【多尿】といいます。

 

一見たくさん飲んでたくさん尿をすることが健康と思いがちですが、じつは多飲多尿は病気のサインの可能性があります。

 

では多飲多尿になってしまう原因は?

 

 

 

いくつかにわけると以下の通りになります。

 

腎臓の病気   慢性腎臓、腎盂腎炎

 

ホルモンの病気 クッシング症候群、糖尿病など

 

高カルシウム 上皮小体機能亢進症、がん

 

重篤な炎症  子宮蓄膿症、膵炎など

 

尿崩症    脳からのホルモン分泌異常

 

心因性    精神的なストレス、空腹

 

などがあげられます。

 

 

特に多飲多尿以外にも症状がある場合、(元気がない、食欲がない、吐いているなど)すぐに治療が必要な病気も多いため、できるだけ早く病院で検査を受けてください!

 

 

動物病院では血液検査や超音波検査、ホルモン検査などを行い、これらの病気を診断していきます。

 

 

では、そんな多飲多尿を見つけるにはどうしたらいいのでしょうか?

 

ポイントは3つです。

 

 

①多飲の基準値

どれくらいからが多飲になるなのでしょうか?
明確な基準が決まっているわけではありません。食べ物の水分量(ドライフードか缶詰か)や種類、活動性によっても飲水量や尿量は変わってくるからです。

 

ただおおよその基準として

犬:体重1kgあたり100ml以上

猫:体重1kgあたり60ml以上

 

といわれています

 

 

 

②自宅での確認

 

自宅で尿量・飲水量を測っていただけると、診察でとても参考になりますが、なかなか難しい場合があります。

 

そんな時は以下の症状をポイントにしてみるのよいです。

1. 水をいれた器がすぐに空っぽになる

2. ペットシーツを頻繁に交換するようになった

3. トレイの砂の塊が大きくなった

4. おしっこの色がいつも水のように薄い

5. トイレが我慢できず粗相してしまう
 

 

 

③動物病院で検査をしましょう!!

 

①②で気になる項目が見つかったら、動物病院での検査を受けにいきましょう。

 

とくに尿の濃さ(尿比重)を測定することで、腎臓がしっかりと尿を濃縮することができているのかを調べることができます。

 

*検査の注意点として

できれば朝一番の尿を採取しましょう
水をあまり飲まない寝ている間が一番濃い尿が作られます。

 

そのため朝一番の尿を検査することで、正確に腎臓の機能を評価できます。
 

当院では尿採取に便利な容器をお渡ししていますので気軽にご相談してください。

 

 

 

 

まとめ

 

多飲に気づいたらまずは尿検査や血液検査をを行いましょう。

 

また調子が悪いときはすぐに病院に診察に来てもらい原因を調べましょう。

 

病院で診察しているだけでは、なかなか多飲多尿に気づけません。

 

日頃から自宅でワンちゃんネコちゃんの様子を確認しておくことが重要です。

 

何か少しでも気になることがあれば当院に相談してください。

 

最後に、

暑い夏がまだまだ続くので、かき氷を食べに出かけるのもありですね。

(食べるまでに1時間並びました😅😅)

2023.08.13

獣医師

お口の健康を守ろう!

こんにちは。獣医師の内山です。

 

 

夏が本番を迎え、毎日うだるような暑さが続いていますが、皆さん如何お過ごしでしょうか??

 

 

 

この暑さの中、エアコンの下で愛犬、愛猫と横になりながら過ごしていると、ふと、我が子たちの口からきつい臭いが、、
なんてことはないでしょうか?

 

 

この子の歯は大丈夫なのか?

 

このまま何もしなくていいのか?

 

今のケアで合ってるのか?

 

 

 

 

このように歯について気になりだしたそこのあなた!当院では、そんな悩みをおもちのあなたにうってつけなキャンペーンを実施します!!

 

愛犬、愛猫の口の中の健康をチェックできるキャンペーン、題して「おくちピカピカキャンペーン」です!!

 

 

 

ご存知の方もいるかもしれませんが、このキャンペーンは昨年も実施し、今年も開催となります。

 

昨年は、約350名の方々に参加していただき、大変好評をいただきました!

 

 

毎月の健康チェックや、予防接種のついででも、全くかまいません。

 

 

たったの550円で歯や歯肉のチェックに加えて口臭の原因菌がどれくらい存在しているかも確認できます!さらに様々なお得な特典もついてきます!!

 

 

もしかしたら、すごい特典もあるかも??特典の内容は、院内での掲示や当院のインスタグラム等で発信していますので、ぜひ確認してみてください。

 

開催期間ですが、今年は、8月1日〜8月31日までの1ヶ月間の実施となります。

 

 

 

 

ここでわんちゃんやねこちゃんの口臭の原因や歯周病について少し詳しくお話します。

 

わんちゃんは3歳以上の子の約8割が歯周病といわれており、ねこちゃんは痛みを隠すことが多く、歯肉炎、口内炎に気づきにくいです。

 

 

歯周病が進行し、歯肉がグズグズになり、歯が抜けてしまうこともあります。

 

 

この状態ではかなり口の中に痛みがあり、食欲や元気がなくなる場合もあります。

 

わんちゃんやねこちゃんの口の中では、細菌が歯垢中のタンパク質やアミノ酸を分解して、口臭の原因となるガスを産生します。

 

 

また、このガスが多いほど歯周病が進行しますが、歯垢・歯石除去や抜歯によって口臭が改善したという報告があります。

 

それだけ口臭は、歯の健康チェックにおいて重要な項目ですが、実際どの程度なのか、分かりにくいと思います。

 

 

その口臭の程度を測るために、口臭の原因物質の濃度を視覚化できるオーラストリップという試験紙を使用します!

 

 

 

これにより今の歯の健康状態を把握し、適切なケアについてお話させていただきます。

 

 

その他のことで口や歯について、何か気になることがある方は遠慮なくお尋ねください!

 

 

 

 

 

他にもお家のわんちゃんやねこちゃんに以下のような症状があるという方はぜひキャンペーンをうけてみてください。

 

・元気がない

 

・食欲がない

 

・口の中にできものがある

 

・出血がある

 

・口臭が気になる

 

・柔らかいものを好む

 

・物を食べづらそうにする

 

・最近食欲が落ちた

 

・奇声(痛みによる)を発するなど

 

 

口の中や歯の状態はそのまま健康に直結してきます。

 

 

愛犬、愛猫の健康維持するためにはまず「歯」から健康にしていきましょう。

 

 

昨年参加された方も、今年初めての方もぜひご参加ください。

 

2023.07.15

獣医師

怖いマダニの病気

こんにちは、獣医師の北原優です。

 

 

先月ですが、驚いたニュースがありました。

 

 

https://www.city.toyota.aichi.jp/pressrelease/1054774/1054871.html

 

 

豊田市で重症熱性血小板減少症候群(SFTS)の患者さんが出たというニュースです。

 

 

 

SFTSとはマダニが媒介する人獣共通感染症(人と動物が双方に感染する病気)で、ウイルス(ブニヤウイルス科フレボウイルス属)が原因となります。高熱や下痢や嘔吐が出て、血液検査では血小板や白血球が減少をしてしまい、命の危険に関わる事もある怖い病気です。

 

 

SFTSは西日本での発生が多かったのですが、地球温暖化の影響で野生動物がダニを連れて北上する事で分布が広がりつつあります。

 

 

愛知県では数年前に半田市の発生があり、今回が3件目なのですが、じわじわと名古屋市にも近づいてきているように感じます。

 

 

 

人獣共通感染症なので、人間もわんちゃんもねこちゃんも感染する可能性があります。

 

 

野外でマダニに噛まれて、飼い主様とわんちゃん同時に感染をしてしまい残念ながらわんちゃんは亡くなってしまったなんて話もありました。

 

 

 

 

 

他にもダニからわんちゃんねこちゃんに感染する病気としては、

 

 

バベシア症:バベシア原虫という寄生虫がわんちゃんの赤血球に感染をする事で貧血、発熱、黄疸などの症状を引き起こす病気

 

 

猫ヘモプラズマ症:ヘモプラズマという細菌がねこちゃんの赤血球に感染する事で貧血、発熱を引き起こす病気

 

 

 

人間に感染する病気としては

 

 

ダニ媒介性脳炎:フラビウイルス というウイルス が発熱、頭痛、震え、痙攣発作などの症状を引き起こす病気

 

 

つつが虫病、日本紅斑熱:リケッチアという細菌が倦怠感や高熱を引き起こす病気

 

 

など恐ろしい病気が多々あります。

 

 

 

 

 

ダニなどの外部寄生虫から感染する病気からわんちゃんねこちゃん含めたご家族様を守る為には予防が1番です。

 

 

当院ではわんちゃんなら今のシーズン必須のフィラリア予防薬にノミダニ予防の成分が入っているタイプがあったり、食べたりつけたりするとノミダニ予防効果が3ヶ月長持ちするタイプの薬もあります。

 

 

 

ねこちゃん向けだとフィラリアとお腹の寄生虫とノミダニのオールインワンタイプのつける薬や、わんちゃん同様つけると3ヶ月長持ちする薬があります。

 

 

 

飼い主様とその子が1番使いやすい薬をご提案できますので、是非来院した際にご相談させて下さい!

 

 

 

最近だと通販で手に入るタイプのノミダニ予防薬もありますが、昔ながらの予防薬の成分だと県内には耐性があるダニの発生もあるので予防効果が不十分ではないかという話もあります。

 

 

 

よく野外へお出かけするという方の相談もお待ちしています。

 

 

 

 

 

今月は東京にねこちゃんの勉強会に行って参りました。

 

 

動物病院関係の方以外にも一般の方も参加できるブースもありとても賑わっていました。

 

 

それだけ、飼い主様方のねこちゃんに対する愛が強い方がとても多いんだなと再認識させられました。

 

 

 

自分たちも飼い主様達の情熱に応えられる様に日々進歩する獣医学を学んで飼い主様方達により良い提案できる様精進して参ります!

 

 

 

 

 

2023.06.15

獣医師

猫ちゃんの関節の痛みのサインに気づいていますか?

こんにちは、獣医師の今瀬です。

 

梅雨に入り、蒸し暑い日々が続いていますが、皆様いかがお過ごしでしょうか?

 

夏風邪も流行っていますので、体調管理にお気をつけ下さいね。

 

さて、今月は猫の変形性関節症についてお話させていただきたいと思います。

 

 

 

 

変形性関節症とは?

 

骨と骨のクッションの役割をしている軟骨に過度の負担がかかることで次第に関節が変形し、

 

慢性的な痛みや、動作に困難が生じる関節疾患です。

 

猫の変形性関節症は、

 

・加齢
・肥満
・外傷
・遺伝
・過度の運動
・関節不安定症
・繰り返す亜脱臼や脱臼

 

など、様々な要因が関与して起こります。

関節軟骨に過度な負担がかかると、軟骨に摩擦が起こり、軟骨構成成分が変化(変性)します。

 

 

徐々に軟骨がすり減ると、関節炎を発症し、痛みが出はじめます。

 

 

そして、関節の可動域が減少し、動作に困難が生じてきます。

 

さらに軟骨がすり減ると、骨同士がこすれ合い、骨が変形してしまい、激しい痛みになっていきます。

関節炎の出やすい部位は、

 

①手根(手首)
②肘
③膝
④足根(足首)
⑤股関節
⑥肩
⑧指
の順です。

この病気ですが、

 

なんと!

 

1歳以上の猫ちゃんの約74%、12歳以上の90%に変形性関節症があるとも言われています!!

 

しかし、猫の変形性関節症は、兆候が分かりにくく、飼い主様が気づかないことが多い疾患です。

 

猫は本能的に痛みを隠す動物で、痛がる様子をみせないので、歳のせいで動きが鈍くなったのかしら?などと勘違いされやすいのですが、日常のちょっとしたしぐさが痛みのサインのことがあります。

 

痛みのサインを見逃さないように、日頃からよく観察してみて下さい!

 

 

 

 

痛みのチェックリスト

 

・階段を登る時、
うさぎ跳び(後ろ足を同時に跳ねて登る)したり、休憩する。

 

・階段を降りる時
体を横向きにして一段づつ降りたり、休憩する。

 

・動くものを追いかけるとき
途中でゆっくりになったり休憩する。

 

・ジャンプするとき
飛び乗る前にためらう。1回のジャンプで届かず、前足をつけてから後ろ足を引き上げる。

 

・飛び降りるとき
飛び降りる前にためらう。大きくジャンプしない。地面に前足を伸ばして降りる。

 

・走る時
全体的に動きが遅く、歩きと早歩きを交互にする。

 

・その他にも…

気性があらくなった
体を触ると嫌がるようになった
おもちゃにじゃれなくなった
トイレの外で排泄する
物陰に隠れたり、逃げたりする
動きがゆっくりになった
グルーミングが減った
おとなしい
食欲が落ちた
睡眠時の姿勢が変わった
目を細める

 

などの変化にも、痛みが隠れているかもしれません。

 

 

皮膚にできた腫瘍を切除するために手術前の検査をした猫ちゃんのレントゲン写真です。

 

 

股関節と膝関節に重度の変形性関節症があり、偶然みつかりましたが、飼い主様は、足の痛みには気づかれていませんでした。
このように、レントゲンを撮った際に偶然写ってきて見つかることも多いのです。

 

痛みは、放置すると猫ちゃんのQOL(生活の質)も下がり、さらに関節炎も悪化しますので、早期に痛みを和らげ、身体機能を維持、改善してあげましょう!

 

治療ですが、
①体重のコントロール
②痛みの緩和
③運動の促進

 

を軸に、プランを立てていきます。

 

痛みの緩和には、従来、消炎鎮痛剤のNSAIDsというお薬を使用していましたが、腎臓や肝臓、胃腸に負担をかけるため、長期にわたる投与はできませんでした。

 

しかし、2023年2月から抗NGF抗体という新しい作用機序のお薬が導入され、治療の選択肢が増えました!

 

こちらのお薬は、ひと月に1回の注射薬なので、毎日の投薬ストレスがなくなります。

 

そして、腎臓、肝臓、胃腸への影響が最小限ですので、初期の腎不全の猫ちゃんにも使用できます!

 

オメガ3脂肪酸も炎症反応を減らすのに効果があり、食事やサプリメントで摂取するのもおすすめです。

 

運動は、おもちゃで遊んであげたり、色々な高さの登りやすいキャットタワーなどで遊べるようにし、無理ない範囲で積極的に動き回らせて関節を動かしてあげましょう!

 

そして、生活環境についても見直してみて下さい。

 

・ご飯やお水の器は使いやすいですか?

・ベッドは使いやすいですか?

・キャットタワーは上りやすいですか?(スロープや階段は必要ですか?)

・トイレの入り口は高くないですか?

・トイレは入りやすいように、複数ありますか?

 

早期に病気に気づいて、痛みを和らげて、心身ともに健やかに過ごしていけるといいですね!

 

 

 

さいごに

梅雨の合間に趣味のキャンプに行きました。山はいいですね!

 

 

2023.05.15

獣医師

わんちゃんねこちゃんのお口の中

こんにちは!獣医師の大澤です。

 

 

最近すっかり暖かくなりましたね。

 

 

でも夜は冷えることもありますのでお気をつけください。

 

 

毎年のことながら、衣替えのタイミングを見失ってしまいますね・・・。

 

 

 

今回はわんちゃんとねこちゃんのお口の中の構造について書かせて頂きます。

 

毎日一緒に生活していても、なかなか彼らのお口の中をじっくり観察したことはないかと思います。

 

歯や舌などそれぞれ細かくみると、やっぱりヒトとはだいぶ違う構造になっています!

 

それぞれの特徴や、そしてお口のお手入れについて簡単にご紹介しますね!

 

 

~舌と歯肉、唾液~

 

 

舌や歯肉には、唾液が湧き出る部分が潜んでいます。

 

 

唾液は、口の中をきれいにするとても大事な作用があり、歯垢や歯石が出来にくくしてくれます。

 

 

上顎の粘膜の部分は段差がでこぼこしています。前歯(正式には切歯といいます)の裏ををよくよくみてみると、ちょっとだけぷっくりしている部分があります。

 

 

これは切歯乳頭といって臭いを感じる神経の部分です。どうやらヒトでもあるそうですが、わんちゃんたちのほうがなんだかハッキリしています。

 

 

やっぱり嗅覚がヒトと比べるととても鋭いことに関係しているのでしょうね。

 

 

~歯~

切歯、犬歯、臼歯はわんちゃんとねこちゃんでそれぞれ本数が違います。

 

 

わんちゃんは、上顎の切歯6本、犬歯2本、臼歯12本。
下顎の切6本、犬歯2本、臼歯14本。

 

 

 

 

ねこちゃんは、上顎の切歯6本、犬歯2本、臼歯8本。
下顎の切歯6本、犬歯2本、臼歯6本。

 

 

切歯や犬歯は普段から目にする部分だと思いますが、臼歯はほっぺたの奥の方なのでなかなか見る機会がありませんよね。

 

 

すこ~しほっぺたをめくって見てみてください。

 

 

なかなか大きな存在感の歯が見えると思います。

 

 

上の臼歯と下の臼歯はかっちり挟まると鋏のようになっていますね。

 

 

ヒトと違い、食肉目と呼ばれる動物なので、まさしく歯が肉を引き裂くための鋏の役割を担っているんですよね。

 

 

彼らの祖先はそれぞれオオカミやヤマネコなので獲物をハンティングするための大事な武器です。カッコイイ!

 

 

 

 

 

しかし、家庭の中でヒトと生活するスタイルのなか、わんちゃんは特にオオカミの頃と比べて体がとっても小型化されました。

 

 

 

 

しかし、顎の大きさが小さくなっても歯の本数は変わりませんでした。

 

 

すると、口の中は大渋滞!

 

 

歯がぎっしり並んでいて、隙間がありません。

 

 

唾液の洗浄作用がうまく働きません。

 

 

すると、ほっぺたの奥の臼歯のまわりはとても歯垢がつきやすい環境になってしまいました・・・!!

 

 

ですので、小型犬のこたちはとても歯周病になりやすいです。

 

 

近年は、3歳以上のわんちゃんねこちゃんの80%は歯周病という統計報告もあります。

 

 

これを防ぐには小まめなデンタルケアが必要になります。

 

 

デンタルケアはいきなりしっかりやろうとしても難しい面が多いと思います。

 

 

 

 

当院ではいろいろなデンタルケアグッズを置いています。

 

 

歯磨きジェルや、歯磨きガム・・・出来る範囲から頑張って地道にやっていきましょう!

 

 

目標は、歯ブラシで前述した臼歯の隙間のところまで丁寧にみがくことですね。

 

 

5月27日にデンタルセミナーを病院で開催する予定ですので、どうかお気軽にご参加ください。

 

2023.04.15

獣医師

ぼくの心臓わたしの心臓大丈夫??

こんにちは。獣医師の田宮です。

 

冬の寒さから一転、心地よい春の陽気を感じられる季節になりましたね。

 

春は予防のシーズンです。当院ではフィラリア症や狂犬病、混合ワクチンなど、予防接種で来院されるオーナー様が多くなってきました。

 

予防接種時に定期健診をしたいと来られる方もたくさんいらっしゃいます。診察時にチェックするのが「心音」です。聴診器を胸に当てて、心臓の拍動やリズム、雑音を聴き取ります。実は心臓に雑音があり心臓病でしたなんてこともあり得るのです。

 

雑音があればレントゲン検査や心臓のエコー(超音波)検査をします。心臓が大きくないかな?逆流はないかな?それはどの程度なのかな?を確認します。今回は心臓病の中でもわんちゃんに特に多い僧帽弁閉鎖不全症について一緒に勉強しましょう。

 

心臓は全身に血液を送るポンプの役割があります。酸素の多い綺麗な血液を体に送って、酸素を使った血液を肺でまた綺麗にし、酸素の多い血液をまた全身へ送るという「循環」をしています。

 

 

 

ワンちゃんで多く見られる【僧帽弁閉鎖不全症】

 

心臓は左と右、更に上と下と4つのお部屋に分かれます。心臓にはこのお部屋の境界には血液が逆戻りしないように「弁」が付いています。

 

 

 

僧帽弁閉鎖不全症では左心房から左心室への弁=僧帽弁がうまく閉じなくて血液が逆流を起こしてしまうのです。

 

 

そうすると、逆流するところは、酸素の多い血液にする「肺」なので、肺に負担がかかってしまうのです。

 

 

 

 

逆流の度合い、スピードが軽度であれば問題となることはありませんが、逆流スピードが強く、早くなると肺への負担がかかり【肺水腫】という状態になり、肺がうまく膨らみません。

 

 

呼吸が荒くなったり、酸素が足りなくなり舌が真っ青になるチアノーゼを起こします。呼吸困難となり、治療のために緊急入院となることもあります。

 

僧帽弁閉鎖不全症では症状の程度によって心臓を収縮させたり、血圧をコントロールするような心臓薬を服用したりします。

 

 

軽度な場合は薬を飲まずに定期的に検査をし、経過をみていく子もいます。症状の程度は心臓のエコー検査を行なったり、レントゲンをとったり、血圧を測ったりすることで評価します。

 

症状が進んでいる場合はお薬を調節したりします。

 

☆画像エコーLA/Ao

 

この画像は心臓のエコー検査で左心房の大きさを評価しています。

 

こんな症状は要注意!?
①心臓の雑音があると言われた
②呼吸がおかしい
③咳をする
④疲れやすくなった
⑤寝ていることが多くなった

 

これらの症状は他の疾患や加齢に伴なうこともありますが、心臓病の一端である可能性もあるので、一度受診しましょう。

 

心臓病は普段生活している中では発見しづらい病気でもあります。最近ではヒトですが、「お医者さんで心音チェック」という心臓病の定期健診をオススメするCMも流れています。

 

 

発見のきっかけは聴診ですが、この小さな心音がとても大きな病気の治療や予防につながります。

 

 

症状がなくても一度心音をチェックしに来てください。

 

 

健康診断の際にはぜひ心音チェックをしましょう!

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