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2023.03.14
獣医師
こんにちは!
獣医師の江場です
3月に入り急に暖かくなりましたね、ここ最近の最高気温はなんと5月並みだそうです!
冬の寒さが和らいだのは嬉しいことですが、
急な気温の変化で体調を崩さないように気をつけたいですね😃
さて、今回は胆嚢という臓器に関する病気、
『胆嚢粘液養腫(たんのうねんえきのうしゅ)』についてお話ししたいと思います。
そもそも胆嚢とはどんな臓器なのか?
簡単に言うと胆嚢は、
肝臓で産生される胆汁という消化液を一時的に貯蔵・濃縮する為の袋状の臓器です。
胆嚢からの胆汁は総胆管という管を通り、
胃の先にある十二指腸という腸管へ分泌され、
主に脂肪を消化吸収しやすくする働きがあります。
胆嚢粘液嚢腫ではこの胆嚢がムチンに富んだ
粘性の高い異常な胆汁が蓄積することで拡張してしまっている状態です。
詳細な発生機序ははっきりとしていませんが、
胆嚢壁を構成する粘液産生細胞からの過剰な粘液産生によって
異常な胆汁貯留が発生していると考えられています。
好発犬種として
シェットランド・シープドッグ、コッカー・スパニエル、
ミニチュア ・シュナウザ ーなどが挙げられています。
よくある症状は,嘔吐や食欲不振,元気消失,
嘔吐、腹部疼痛、黄疸、発熱などさまざまです。
過剰な粘液貯留の結果、胆道系の閉塞や胆嚢壁の穿孔・破裂をともなう場合は
重篤化することもあり、危険な病気と言えます。
そんな胆嚢粘液嚢腫、どのように診断・治療するのでしょうか?
血液検査により肝酵素(ALT、AST、ALP、 GGT) や
総ビリルビンの上昇がみられます。
診断には超音波検査による胆嚢の評価がもっとも有用で、
胆嚢壁の浮腫やキウイフルーツ様や星状といった胆嚢の断面図がとても代表的な所見です。
治療方法は外科療法と内科療法がありますが、
先ほど挙げたような臨床症状がある場合は
外科療法である胆嚢摘出が第一選択となりますし、
無徴候であっても将来的なリスクを考慮すると、
麻酔リスクや併発疾患など諸事情がない限りは
やはり外科療法を選択することがほとんどです。
また発症の素因として
副腎皮質機能進症や甲状腺機能低下症といった内分泌疾患、
高脂血症,胆嚢の運動性低下などが報告されています。
いずれも高齢の子に多い病気ですが、
実際に胆嚢粘液嚢腫は比較的高齢での発症が多いです。
わんちゃん猫ちゃんは見た目上は問題なく過ごせていても
実は隠れて病気が進行しており体調が悪くなってから発覚するケースが多いです。
先に挙げた疾患は健康診断で見つかる事が少なくはありません、
その為少なくとも年に一度は健康診断の受診をお勧めします。
当院では通常の検査よりもお得なバースデー健診を実施していますので
詳しくは病院スタッフまでお問い合わせ下さい😃
最後に
最近、昔からの趣味だった写真を再開しました📸
と言ってもまだ室内で飼い猫達を撮るくらいですが…
これから更に暖かくなってくるので、外での撮影もチャレンジしてみようと思います😊
2023.02.15
獣医師
こんにちは!今月のブログを担当させていただきます、獣医師の宮平です。
少しずつ暖かくなって嬉しいこの頃ですが、いかがお過ごしでしょうか😊
さて、今年も狂犬病予防注射のシーズンが始まります。
わんちゃんの狂犬病予防注射は、狂犬病予防法という法律に定められた飼い主の義務になります。
毎年ハガキが届くから打ってるけど、どうして打たなきゃいけないの?というお声をいただくことがありましたので、今回のブログテーマにしました。
狂犬病は、わんちゃんだけでなく人も含めた哺乳類全般に感染する人獣共通感染症です。
狂犬病を発症した動物に咬まれたり引っ掻かれたりすることで感染します。
発症すると風邪のような症状から始まり、進行すると興奮や錯乱などの神経症状が現れます。
また、発症した場合の致死率はほぼ100%と怖い病気です。
日本では狂犬病が蔓延していた過去がありますが、ワクチンの普及などにより発生件数は減っていきました。
そして1956年を最後に発生しておらず(海外で感染し日本帰国後に発症した例を除く)、世界的にも狂犬病清浄国として認知されています。
が、しかし、日本やオーストラリアなど一部の国を除き、ほとんど全世界で発生しているのが現状です。
日本の検疫は厳しいですが、万が一国内にウイルスが持ち込まれてしまったら?
また、日本は今でこそ清浄国ですが、蔓延していた過去があります。
山奥に生息する野生動物がひっそりとウイルスを保持し続けている、という可能性もゼロではありません。
現に、日本と同じく蔓延していた過去がありながら清浄国となった台湾では、2013年に野生のイタチアナグマから狂犬病ウイルスが確認され、清浄国ではなくなりました。
このような理由から、清浄国である日本でも狂犬病注射が義務付けられています。
とても怖い病気ですが、ワクチン接種により発症や蔓延を防止できる病気です。
また、人に感染させない、人を守るための予防接種でもあります。
年に1回の注射で予防しましょう!
また、守山区、名東区、千種区、春日井市、尾張旭市、瀬戸市にお住まいの方は区役所・市役所への登録をこちらで代行できます。来院の際には狂犬病予防注射の案内ハガキをお持ちください!
暖かくなると蚊も増えてきますので、フィラリア予防もスタートです。春は忙しいですね🌸
最後に、私の愛猫しぇるを紹介します。
人が大好きで甘えん坊な女の子です。
持病があり時々通院していますが病院もへっちゃらで、看護師さんや受付さんに遊んでもらっています🥰
2023.01.15
獣医師
こんにちは!九州最南端の鹿児島出身の獣医師内山智晴です。
よろしくお願い致します!
さて、改めまして新年あけましておめでとうございます!
お正月にお雑煮やおせち、美味しいご馳走を食べた方もいらっしゃるのではないでしょうか。美味しいものを食べて今年1年もこれから頑張っていきましょう!
ところで、美味しいものといえば、もうすぐ2月、、バレンタインデー、チョコレートのシーズンがきます。
みなさんがご存知かもしれませんが、私達は食べても無害でも、わんちゃんやねこちゃんは食べると害がある、そんな食べ物の1つがチョコレートです。
原料となるカカオに「カフェイン」や「テオブロミン」という物質が含まれます。
これらは、メチルキサンチンという化合物で、中枢神経や心臓の筋肉の収縮が刺激されたり、利尿作用が働いたりします。
わんちゃんやねこちゃんはこれらを肝臓で分解する能力が人間の約3分の1と低く、多量の摂取で中毒を起こし、以下のような症状を引き起こします。
「カフェイン」
・動悸
・ひきつけ
・ふらつき
・不整脈
・過度の興奮 など
「テオブロミン」
・下痢
・嘔吐
・腹痛
・頻呼吸
・多飲多尿
・ふるえ など
また、カフェインやテオブロミンの毒性はカカオの含有量によって異なっており、一般的にはビターチョコ>ミルクチョコ>ホワイトチョコの順に含有量が多くなっています。
具体的には、個体差はあるものの、体重1kgあたり15-20mgの摂取で毒性がでると言われています!
チョコレート中毒に特効薬はありません!
「食べさせない」が1番のポイントです。
もし愛犬、愛猫がチョコを食べてしまっても、無理におうちで吐かそうとせず、すぐにお近くの動物病院にご相談ください。
人間が食べれるものだから、大丈夫!ではなく、わんちゃんやねこちゃんが食べられないものもあることを改めて知っていただきたいです。
これから1年毎月楽しいイベントが盛りだくさんですが、その度にわんちゃんやねこちゃんに「人間の食べ物をあげない、食べられない」ように注意してください!!
最後に我が家の愛犬アランくんをご紹介します。昨年から家族の一員になりました。あっという間に我が家のアイドルになり、日々すくすく成長している姿を見るだけで毎日頑張れます。本当に親ばかですよね。
2022.12.15
獣医師
こんにちは!獣医師の家田です。
気づけば2022年もあと半月…
時の流れの早さに驚いております。
少し変わっているかもしれませんが私が年の瀬が迫ってきたと感じるのは、宝くじ売り場に並んでいる人を多く見かけるようになった時です。
私が小さい頃、私の父親は12月になるとよく年末ジャンボ宝くじを買って帰ってきていました。当時は当選発表の日が待ち遠しく、新聞にかじりついて何度も新聞と宝くじを見返して番号を確認していたのを思い出します。
今年は久しぶりに購入して、当選発表の日は20年ぶりに父親と宝くじで一喜一憂してみようと密かに計画しております。
ネコちゃんの鍵しっぽは幸運をもたらすと言われています。
もし宝くじを購入される際は鍵しっぽのネコちゃんに願掛けしてみるのも良いかもしれませんね。
さて、今回のテーマはネコちゃんのトイレについてです。
ネコちゃんのトイレ事情は実は奥が深いことはご存知でしょうか?
容器の大きさ、トイレの深さ、カバーの有無、トイレの数、設置場所、猫砂の種類、掃除の頻度
トイレを構成する要素はこれだけあります。
なるべく理想のトイレ環境を作ってあげられるように、今回はこれらを1つずつ解説していきます!
ですが、その前に・・・
おうちのネコちゃんはトイレをする時にこんな行動をしていませんか?
1.トイレの淵をひっかく
2.壁や床をひっかく
3.トイレの淵に足が2本以上乗せている
4.排泄中にトイレの淵に足を置いているか足を上げている
5.排泄前に猫砂を掘らない
6.トイレの滞在時間が短い
7.トイレに近づくものの排泄せず立ち去る
8.排泄物を隠さない
9.トイレに入ってもすぐにでる
これらは、ネコちゃんがトイレに不満をもっているときの行動として2007年にアメリカで発表された論文で紹介されているものです。
日本では最近トイレ嫌々サインとして広まってきていますが、日々診察をしているとまだまだご家族には浸透してないような気がしています。
というのも、トイレの淵に足を置いて排泄をする姿は愛くるしくて「かわいい!」と思われてしまうことが原因の1つかもしれません。
私自身もSNSでそういった動画を見かけることがありますが、トイレ環境についてお伝えしたい!とよく思ってしまいます・・・
理想的なネコちゃんの排泄の様子がどういったものかというと、
トイレに入って排泄する場所のニオイを嗅ぐ→猫砂を掻く→掻いた場所にしゃがんで排泄→排泄物のニオイを嗅ぐ→排泄物に砂をかけて隠したうえでトイレからゆっくりとでる
以上の行動をとります。
もちろん個体差はありますが、排泄物に猫砂をかけて隠したりトイレからゆっくりとでてきたりというのは現状のトイレに満足してくれている様子だと考えられます。
トイレをあまり気に入っていないとどうして良くないかというと、排泄の度にストレスを感じてしまい、ストレスが原因の1つとなって膀胱炎を起こしてしまったりトイレで排泄するのが嫌で粗相をしてしまったりする可能性があるからです。
では理想的なトイレ環境とはどういったものでしょうか。
7つの項目に分けてご説明していきます。
① 容器の大きさ
大きさは体長の1.5倍ほどが良いと言われています。これはトイレの中でも方向転換しやすいようにです。
私たちもトイレが広いと快適に感じますよね。ちなみに体長は首の付け根からお尻までの胴体の長さで考えてあげると良いかと思います。
② トイレの深さ
排泄の前後で砂を掘っても底が見えないくらいが理想です。容器の深さもある程度必要ですし、入れる猫砂の量が少なくてもいけません。
③ トイレカバーの有無
カバーは無い方が良いと思います。カバーがあると閉鎖的になってしまいます。人でいうところの仮設トイレのようなイメージです。
野良のネコちゃんは基本的には開放的な場所(公園の砂場など)で排泄を行うため、カバーは外してオープンにしてあげるのが良いでしょう。
ただ、ご家族のお話を聞いていると中にはカバーのついたトイレでしか排泄しないという子もいたのでやはり好みはあると思います。
④ トイレの数
よく言われるのはネコちゃんの頭数+1以上の数です。ネコちゃんが1頭ならトイレは2つ以上、2頭なら3つ以上ですね。
ただ、多頭飼いのご家庭だと家の中がトイレだらけになってしまいます・・・ですが、多頭飼いの場合は基本的に数頭でコミュニティーを作りますので、コミュニティーごとに使うトイレがある程度定まります。そのため必ずしも頭数+1以上の必要はありません。
⑤ 設置場所
複数のお部屋においてあげるのが良いでしょう。ただし、どのお部屋でも良いわけではありません。なるべく静かで暗すぎない場所がベターです。テレビや洗濯機の横は比較的うるさいことが多いので避けましょう。
また、ネコちゃんは夜行性だからと真っ暗な部屋にトイレを設置してしまうのもよくありません。
⑥ 猫砂の種類
猫砂に関してはかなり好みが分かれます。猫砂は固まるタイプと固まらないタイプに大きく分かれますが、そこからさらに鉱物系、紙系、木系、おから系等に分類されます。大まかな特徴はとしては以下の通りです。
鉱物系:自然の砂に近く、多くのネコちゃんが好みやすい。しっかりと固まる。
紙系:鉱物系よりもやわらかく固まる。軽量でトイレに流せるものが多い。
木系:他の種類の猫砂よりは固まりづらい。安価で軽量。
おから系:他の猫砂と比べるてやわらかく固まる。吸水力に長けている。
ネコちゃんがどの種類の猫砂を好むのか、という研究は数多く行われており、研究結果からは鉱物系が最も好まれることがわかっています。しかし、好みは様々であるため排泄の様子をしっかり観察して今の猫砂が気に入っているのかを判断する必要があります。
⑦ 掃除の頻度
トイレ掃除は定期的に行ってあげなくてはいけません。可能であれば月に1度は猫砂を全量取り替えて、かつトイレ容器も洗ってあげるのが良いでしょう。
減った分の猫砂をつぎたすだけだと細かな排泄物が残ってしまい不衛生になってしまいますし、固まるタイプの猫砂も固まりにくくなってきます。
以上が理想的なトイレ環境を作るポイントになります。
トイレ嫌々サインが出ていたり排泄トラブルを抱えているネコちゃんのご家族はもちろん、そうではないご家族も1つずつ項目をチェックしていき、改善できそうなものがあればぜひ改善してあげてください。
もしネコちゃんのトイレに関してご質問等あればいつでもご相談くだい!
2022.11.16
獣医師
皆さんこんにちは。
獣医師の飯田です。
そろそろ紅葉が見頃な時期になりましたね。
先日は家族で豊橋にあるのんほいパークへ行ってきました。
動物との距離が近く子供達も大興奮でとてもいい所でした!
ぜひオススメしたいです!!
さて、今回は食欲の秋という事でご飯に関連した内容、特に食事アレルギーなどの
「食物有害反応」についてお話ししようと思います。
食物有害反応とは食べ物を食べたことによって引き起こされる
体にとって良くない反応の事を言います。
主に下痢や嘔吐、痒みなどが症状として出ます。
食物有害反応には食物不耐症と食物アレルギーがあります。
この2つは何か違うのか?
それは食物アレルギーは免疫が関与している反応、
食物不耐症は免疫が関与しない反応という違いです。
例えば食物不耐症の中には有名なところでいうと乳糖不耐性があります。
人でも牛乳を飲んだら下痢をしてします人がいますよね?(私もそうです…)
これは牛乳の中に含まれる乳糖を分解するラクターゼという酵素が足りていないため、
乳糖がそのまま大腸へ運ばれて下痢を引き起こしてしまいます。
ちなみにヨーグルトやヤギミルクは牛乳に比べたら乳糖は少なめと言われています。
これは酵素の量の問題なので、免疫が関与していない「食物不耐症」になります。
他にも食中毒や普段食べていない物を急に食べてしまうことなどによって起こる
消化器症状が食物不耐症に該当します。
つまり体がお腹に入ってきた物を代謝、消化しきれないと
この食物不耐症が引き起こされるということですね。
一方、食物アレルギーとは食べ物の中に含まれる主に蛋白質によって
体の免疫機構が過敏に反応してしまうことにより、赤み、痒みなどの皮膚症状や
嘔吐、下痢などの消化器症状が起こってしまいます。
食物アレルギーは1歳未満の若い時期に発症することが多く、( 例外はあります! )
季節関係なく年中痒みの症状が出てしまいます。
食物アレルギーの皮膚症状は主に目や口の周り、背中、肛門周囲、手足の先などに出やすいとされています。
食物アレルギーの症状を防ぐには
アレルギーを起こしにくいフードを食べてもらう必要があります。
それには「新奇蛋白食」といって、一般的なフードにはあまり入っていない
使われる頻度の少ない蛋白質(例えばタラやサーモン、馬肉など)
を使っているフードにする。
もしくは「加水分解食」といって、蛋白質の分子を小さくして体の免疫機構が
反応しにくいように処理をされたフードにする。
このような方法があります。
実際にどのようなフードにするのかはアレルギー検査をしたり、
今までどのようなフードを食べていたか、
おやつをあげていたか、
などのお話を聞いて適切な物を選択することがとても重要になります。
また、間食を減らす、体重管理を気をつける、乳酸菌やオリゴ糖などを摂取して
腸内環境を良くする事も大切ですね。
フードは毎日食べかつ健康状態にも直結するとても重要なものです。
その子にあったより最適な物をご提案しますので、お気軽にご相談下さい!
2022.10.13
獣医師
皆さんこんにちは、獣医師の佐々木です。
最近肌寒くなってきましたね❄︎
うちの子が布団の中に入ってきてくれて、
心はあったまるそんな季節になってきました。
体が冷えるとワンちゃん猫ちゃんも体調を崩してしまうので気をつけましょうね。
さて今回は、肝臓についてお話しします。
秋は健康診断の季節!健康診断で「肝臓の数値がちょっと高いですね」
なんて言われた方もいるのではないでしょうか?
肝臓は「沈黙の臓器」とも言われるくらい我慢強く、
相当病気が進行しない限り症状を出しません。
肝臓の数値の上昇、実は肝臓のSOSかもしれません。
肝臓は我慢強いだけではなく働き者で、
身体にとって欠かせない役割をいくつも持っています。
☆肝臓の役割☆
①タンパク質合成
②ブドウ糖貯蔵
③ホルモン代謝
④胆汁生成
⑤解毒
⑥コレステロール合成
⑦尿素生成
⑧ビタミンD代謝
代表のものだけでもこんなにありますが、
まだ全てを解明できていないくらい沢山の働きがある複雑な臓器だと言われています。
肝臓病が進行すると、下痢、元気消失、
お腹を押すと嫌がる、メレナ(黒色便)などがみられます。
さらに重症になると腹水が溜まったり、発作やふらつき、
黄疸がみられ、死に至る場合もあります。
症状が出る頃にはかなり末期なことが多く、治療は困難です…
ですので、症状が出る前、「数値が高いだけ」
のタイミングで気づいてあげる必要があります。
でも、必ずしも
肝臓の数値が高い=肝臓病
ではありません。
肝臓の数値は、思っている以上に色々な要因で上がることがあるのです。
①食事による影響
肝臓は消化管で吸収した栄養素を合成しているので、
食後は負担がかかりやすく数値が僅かに上がることがあります。
また、食べてるものによっても数値の影響をうけます。
②胆嚢による影響
肝臓の隣には胆嚢という、肝臓で作った消化液を溜めている臓器があります。
特にワンちゃんはこの消化液「胆汁」が加齢とともにドロドロになることが多く、
それによって肝臓の数値が上がることがあります。少量なら問題はないですが、
多量の場合やゼリー状になってしまっている場合、治療が必要になります。
食事や飲み薬、場合によっては外科手術で治療します。
③空胞性肝障害
聞き慣れないワードだと思いますが、いわゆる「脂肪肝」です。
ホルモンの病気や歯周病、食事やおやつ、肥満によって
肝臓に脂肪が溜まってしまうことがあります。
肝臓が主体の病気ではないので、原因があればその改善を行います。
肝臓の症状が出る前に対応することが大切です。
もちろん肝臓の腫瘍や肝炎、肝硬変でも数値は上がるので、
原因が肝臓なのかそれ以外なのか、しっかり見極めて治療することが大切となります。
当院では、秋の健康診断キャンペーンを今月いっぱい行っています。
今回お話しした肝臓の数値だけでなく、腎臓、
ホルモン、心臓の数値を調べることができます。
また、特典で
「我が子とのツーショットチェキ」
「獣医師が選んだフードサンプル」
もついてきます!楽しく健康診断もできて、
ご飯の見直しもできて、一石二鳥、三鳥ですね♪(v^_^)v
病気は早期発見が何よりも大事です。
気になることがあれば、何でも相談してくださいね。
2022.09.16
獣医師
こんにちは!
獣医師の吉田です。
9月に入りましたが、まだまだ暑い日が続きますね。
私たち人間も、そして、わんちゃん、ねこちゃんたちも
体調管理をしっかりとしていきましょう!
突然ですが、皆さん!『スパルタンレース』ってご存知ですか?
私はアウトドアの人間なので、いろんなスポーツをすることが好きで、
最近は『スパルタンレース』にハマっております!
写真のような障害物を超えながら、5km以上走り切るものです。
かなりハードですが、何よりも達成感がすごく気持ち良いので、
よかったら一緒に出ましょう笑
話が脱線しましたが、ここから本題に入ります。
日本の夏は高温多湿な気候なので、
皮膚のトラブルを抱えた子が多く来院されます。
例えば、
体が痒そう
フケが多い
耳をかゆがる
体をこすりつける
手足が赤い・舐める
皮膚の毛が薄い・抜ける
などなど
というわけで、今回は皮膚のトラブルのうち、
“痒み“についてお話しします。
“痒み“にも
・本当に痒いもの
・私たち人間から見ると痒がっているように見える行動
があります。
そしてその原因は、大きく分けて4つあります。
1つ目は、感染症によるものです。
例えば、皮膚に問題が起こり、常在菌が増えすぎたもの(膿皮症)や、
ニキビダニ症、皮膚糸状菌症、ノミアレルギー性皮膚炎などがあります。
治療方法は、主に内服薬やシャンプー療法を行いますが、
中にはフィラリア予防薬で予防できるものもあります。
特に皮膚糸状菌症は人にも移るので
私たち人間に痒みが出ていないか注意が必要です。
2つ目は、皮膚炎によるものです。
具体的には、食物アレルギーやアトピー性皮膚炎などが挙げられます。
治療方法には、低アレルゲンのご飯や、新奇タンパク質(普段食べないもので作られた)ご飯に変えたり、
乳酸菌を取り入れたり、痒み止めやシャンプーなどを行います。
☆季節の変わり目などに痒みが出てくるか否かを見ていくのがポイントです!
また、柴犬の子はアトピー性皮膚炎が多い犬種なので注意が必要ですね!
3つ目は、精神面からくるものです。
ある部分だけを過剰に舐めたり、自分の体以外を舐めたりする場合が該当します。
基本的にはストレスからの回避が大事ですが、抗不安薬などを使用する場合もあります。
4つ目は、先天的(体質)からくるものです。
具体的には、
脂漏体質(脂が多い・フケの出やすい体質)、耳の垂れた犬種、耳の毛の多い犬種などが挙げられます。
治療方法としては、シャンプーで物理的な汚れを落とすこと、
内服薬で脂の分泌量を減らすなどがあります。
特に高温多湿の夏場は悪化しやすいので、日頃からのスキンケアを大切にしていきましょう!
【速報】
今年も10月1日から31日まで、毎年恒例の秋の健康診断キャンペーンが始まります🍁!
ワンちゃん・ネコちゃんの1年は人間にとっての4〜5年に当たるため、
半年に1回の検診を推奨しています。
特に今回の秋の健康診断キャンペーンでは甲状腺に関しても検査できるので、
中高齢気になってから皮膚に変化が出できたなぁ。。
あまり食べていないのに最近体重が増えてきたかも。。
と気になる子は是非この機会にチェックしてあげてください!
わんちゃんねこちゃんが、健康に楽しく長生きしてもらえるように
全力でサポートさせていただきますので、ぜひご相談くださいね♪
最後に。。
2022.08.13
獣医師
こんにちは、獣医師の吉ヶ崎です。
まだまだ暑い日が続いていますが皆さん夏バテにはなっていませんか?
人もわんちゃん猫ちゃんも熱中症には引き続き気をつけていきましょう!
今回は誤食についてお話をしていこうと思います。
動物病院での診察で意外と多いのが誤食による体調不良です。
その内容は犬猫用のおもちゃ、
植物や食べ物の種、ジョイントマット、
石、毛玉など様々です。
これらが腸につまったりして腸閉塞を起こすことにより
嘔吐・食欲不振・腹痛などを起こすことがあります。
また、猫ちゃんは紐が大好き。飲み込んでしまうこともあります。
紐を飲み込んでしまうと、腸に絡まってしまい同様の症状をおこします。
腸閉塞の診断は、レントゲン検査やエコー検査、
時にはCT検査などにより判断をします。
異物が腸まで行ってしまうと開腹手術になってしまったり、
腸が傷ついてしまっている場合は腸の一部を切除しなければいけない場合があります。
異物が胃内にあるうちは催吐処置や内視鏡による摘出ができることもありますので、
わんちゃん猫ちゃんの誤食に気付いたら早めの受診をしましょう!
(※もちろん、誤食は腸閉塞だけでなく、ものによっては中毒を起こすことがあるので注意が必要です)
また、誤食をしないように普段の生活でも気を付けていけることがあります。
・お散歩中は目を離さない
・飲み込んでしまいそうな大きさのおもちゃを与えない
・口に咥えているものを離してもらうトレーニングをする
もちろん防ぎきれないこともあるので
心配なことがあれば病院に連絡をしてくださいね。
最近のわたげちゃん、とってもお利口さんですが、
油断していたらお水を飲まれてしまいました、、、
スタッフのお水を飲むのがブームみたいです。
油断禁物ですね。(かわいいので許しました)
2022.07.17
獣医師
こんにちは。獣医師の安部です。
2022年も半分が終わり、後半戦に突入しました。
この間獣医師になったばかりな気がするのですが…時の流れの速さに驚きを隠せません。
さて、今回は獣医師がなぜ去勢手術・避妊手術を勧めるのかについてお話をしていこうと思います。
当院の看板犬あんこも
うり坊も
わたげも
2022.06.15
獣医師
こんにちは、獣医師の高見です。
6月に入り、ジメジメとした暑さが出てき始めました。
6月は季節の移り変わりと共に、気温が上がっくる季節です。
今日は名古屋も夏日。
既に30度を超えてくる日もあります。また湿度も高いようです。
この時期から気をつけないといけないのは、犬の熱中症です。
犬は肉球以外の場所で汗をかくことごできません。
そのためパンティングと言ってハァハァと口を開けて
舌を出すことによって体温調整を行なっております。
なので気温が高いと体温調節が困難になり、
多湿だと余計に難しくなります。
また、高齢や肥満、心臓病や発作の病歴がある犬は、
熱中症にかかる可能性が高く、注意が必要です。
そこで今回は《熱中症》についてお話ししたいと思います。
暑さでまいってしまってるねこちゃん
①犬の熱中症の症状
犬が熱中症になってしまった時には、どのような症状がみられるのでしょうか。
以下のような症状がみられた場合は要注意です。
●口を開けてハアハア・ゼエゼエと苦しそうに呼吸をしている
●大量のよだれが出ている
●カラダが熱い
●ぐったりして立てない など 上記の症状以外にも、
嘔吐や失禁などの症状がみられることもあります。
これらの症状が進行すると、意識を失ったり、
けいれん発作を起こしたりして最悪の場合死に至ります。
このような症状が1つでもあればすぐに病院に連絡し受診して下さい!!
②犬が熱中症になった場合の対処法
では、このような症状がみられた場合は、どのように対処すればよいのでしょうか。
意識があり、比較的軽度と思われる時は、犬にお水を少しずつ飲ませ、
涼しい場所に移動させます。お水や保冷剤などを首や脇、
股などに当てながら冷やしてください。
また濡れたタオルを身体にかけるなどすると尚良いです。
呼吸が落ち着き、耳を触って普段と同じくらいの温かさになるまで注意して様子をみてください。
その後必ず、動物病院を受診してください。
やむを得ない理由で動物病院を受診できない場合は、
水分の多い食事を少量ずつ与え、安静に過ごさせるようにしてください。
では、意識がない、呼びかけへの反応が弱い時はどうするか?
上記同様に冷やす対応を行います。
ただこの時、無理に水を飲ませると、
誤嚥のおそれがあるのでやめましょう。
そして、すぐに病院を受診してください。
*冷やしすぎにも注意
身体を冷やして下さいとお伝えしましたが、冷やしすぎるのも危険です。
肛門で体温を測る場合、平熱(38℃台)になるまで体温を下げると、
その後も体温が下がり続け、低体温になってしまう恐れがあります。
これでは逆効果になってしまうので、目安としては39.5℃になったら冷やすのをやめましょう。
体温計等がなければ、体の暑さが抜けてきたら冷やすのをやめて大丈夫です。
③熱中症の予防方法
熱中症の予防としては、
*気温や湿度に十分気をつける
*常に飲み水を飲めるようにする
*エアコンなどを使用する
などが基本です。
また、夏場に車の中に置いていくことは、犬の命にかかわるので絶対にやめてください。
夏場の散歩は、早朝もしくは陽が落ちた夕方にすることで、
日射による被害を避けることができます。
また、陽が照っているときは地面も相当熱くなっているので、
犬の足の裏にダメージを与える危険があります。火傷の危険もあるのでやめましょう。
特別な理由がない限り、夏の日中の外出は避けて下さい。
④なりやすい犬種 犬の中でもとくに、短頭種、幼齢犬、高齢犬のほか、
心肺疾患や喉や気管の疾患を患っていたり、太っていたり、
毛が厚い犬では熱中症のリスクが高まるため、よりいっそうの注意が必要です。
最後になりますが、 人間同様、犬にとっても熱中症は危険なものです。
熱中症に警戒が必要な季節にはしっかり対策を行うとともに、
もし万が一自分の愛犬が熱中症になってしまった場合も落ち着いて対処できるよう、
正しい知識を身につけておきましょう。
《熱中症》の話題を今回取り上げましたが熱中とのことで最近ですが、私はサウナに熱中しております。
サウナ→水風呂→外気浴を繰り返すことでおきる【ととのい】。
異次元に飛ばされるような感覚は本当に最高です。
疲れすらも吹き飛ばしてまう心地よさを是非皆様もやってみては!!
あ、、、絶対に無理はしないでくださいね。
熱中症になってしまうので笑
年中無休・夜間対応