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2021.08.14
獣医師
こんにちは
獣医師の高見です。
2週間近くあったオリンピックもあっという間に終わってしまいましたね。
賛否両論分かれるオリンピックでしたが、僕は感動と感激の嵐が吹きあふれ、また悔しさも残るオリンピックだったと思います。
また、今回のオリンピックは金メダル数が過去最多となり、メダル獲得数も過去最多となりました。本当にすごいオリンピックだったと思います。
8/24以降にはパラリンピックもはじまります。引き続き日本を応援していきたいと思います👍
ところでいまオリンピックで話題持ちきりですが、獣医業界ではねこちゃんの腎不全の話題が持ちきりです。
それはなんといままでわからなかった腎不全になりやすい原因が判明したからです。
その原因とは、ねこちゃんのAIMというタンパク質が働いていないということでした。
ヒトの場合、尿の通り道に老廃物などがたまると、血中からタンパク質が出てきて、それらを取り除いてくれます。しかし、ねこちゃんの場合は、このタンパク質が血中から出て来ることができず、老廃物が蓄積されてしまうことが判明したのです。
このタンパク質を血中にしっかりとだすことできればねこちゃんの腎不全も改善するわけです。
一刻も早い治療薬の開発を期待するのみですね。
話題が腎臓で盛り上がりましたので今回はねこちゃんの慢性腎不全のお話しをしようと思います。
そもそも腎臓はなにをしているところなんでしょう?
おおまかにわけると3つあります。
1つは老廃物の除去
2つは尿の生成
3つはホルモンの分泌
わんちゃんやねこちゃん達は、呼吸や食事をする事で、体の中に老廃物が作られます。
この老廃物である毒素を腎臓にある糸球体というところで血液の中からこしとります。
所謂、濾過装置です。
ミネラルやタンパク質の大きさは大きく、体にとって必要なものは、この濾過装置みたいなものにひっかかり血液に戻され、また栄養となっていきます。
この過程を繰り返すことにより尿が、作られていきます。
腎不全ではこの濾過装置部分がうまく働かなくなり体の外に排出されるはずの老廃物が、体の中に残ってしまいます。この結果、体に様々な悪影響がでてきてしまいます。
さらに、再吸収も、うまくいかなくなるので、濃縮された尿にならず、薄い尿を大量に排泄するようになります。大量におしっこをすることにより体の水分が尿に取られ、喉が渇き多飲多尿に繋がるのです。
また、腎臓からは、いくつかのホルモンが、出ています。なかでも重要なのは、赤血球を作るホルモンのエリスロポエチンというホルモンです。
このホルモンがないと新しい赤血球が作られません。腎不全を起こすとこのホルモンが作られなくなるので、腎不全による貧血が起こってきます。
ここまでは腎臓の役割の話をしましたが、いざ慢性腎不全になった場合、どんな症状が現れてくるのでしょう???
腎臓の状態によって様々ですが、
特に以下の症状があげられます
水をよく飲む
尿の量が増える
食欲低下、痩せてきた
毛並が悪い
嘔吐、口臭、よだれ
脱水、便秘、貧血
このような症状が当てはまれば一度病院に行って検査しましょう。
まとめになりますが、慢性腎臓病は、初期には臨床症状を示さない子たちが多いため、定期的な健康診断を心がけるとともに、疑わしい症状が見られたらすぐに動物病院を受診してください。万が一慢性腎臓病と診断された場合、その治療は残念ながら生涯続きます。
そうならないためにも、普段のご飯やおやつなどにも注意し適度なお水を与えるようにしましょう。
また1年に1回、高齢なねこちゃんは半年に1回のペースで血液検査やおしっこの検査をして健康チェックをしましょう。
当院にはバースデー健診というものもありますので、ぜひ利用してみてください。
2021.07.19
獣医師
こんにちは、獣医師の榎土です。
今年も既に半分が終わり、時の流れの速さに驚いております。
最近では病院の近くにコストコもでき、コロナウイルス関連のニュースが飛び交う中でも色んなことが変わってきているため、様々な方向にアンテナを張り、そういった変化に柔軟に対応できるようありたいです。
さて、今月の獣医師ブログでは動物たちの膀胱炎についてお話をさせて頂こうと思います。
普段何気なくしているおしっこでも、その中に血液が混ざっていたり、色が濃い様子、臭いがいつもより強く感じるなど、異常が認められることがあります。それこそ、おしっこはしっかりできているけど、やけにいつもよりもトイレに行く回数が増えたり、トイレに行くけどおしっこはほとんど出ていないなどの様子がみられることもあります。
このような様子が見られるようになると、膀胱炎が発症している可能性が考えられます。そもそも膀胱炎とは、言葉の通りおしっこを貯める膀胱に炎症が起きてしまう病気のことですが、わんちゃんと猫ちゃんでは、症状は同じでもそれぞれ主な原因は異なります。
まずわんちゃんについてですが、主な原因は細菌感染によるものが多いとされており、男の子よりも女の子の方が発生しやすいとされています。膀胱内で感染した細菌が増殖すると、尿のpHがアルカリ性に傾き、結石ができやすい環境を作り出してしまいます。逆に、もともと結石ないし、その成分が多く存在している状況であると、それが原因で膀胱炎となってしまうこともあります。
次に猫ちゃんですが、主な原因として環境変化などのストレスが多いとされており、特発性膀胱炎とも言われます。環境の変化とは例えば、飼い主様が変わられたことや、新しいわんちゃんや猫ちゃんを飼い始めた、またそれに伴いトイレの数が不足していることなどが挙げられます。
膀胱炎の治療に関しては、出血を伴っている場合は止血剤の使用や、細菌感染が関係している場合は抗生剤の使用、傷害を受けた膀胱粘膜の修復のためのサプリメントが使用されますが、普段から膀胱炎の予防に取り組むこともとても重要です。
予防策については、しっかりと水分を摂取することが挙げられます。飲水量が増加することで尿を作る働きが促進され、結果的に膀胱内に尿が貯留する時間が短くなることで、膀胱内を洗浄することができ、細菌などの原因となる物質を排出することができます。また、摂取する水分量を増加させる方法として、尿石予防用のフードの使用や、ドライフードではなく水分を含むウェットフードへの変更も検討できます。
気温が高くなる今時期、動物たちの飲水量も自然に増えているとは思われますが、その分おしっこもしっかりできているかも併せて注意してもらい、もし少しでも異変を感じるようであれば、是非病院へご相談ください。
2021.06.27
獣医師
こんにちは。
獣医師の北原優です。
このブログを読んで下さっている方は既にお気付きだと思いますが、この度病院のホームページがリニューアルしました!
ホームページのトップページは初めての方でも分かりやすくなっており、当院の特徴がより詳しく書かれています。
特に「診療について」のページでは当院で特に力を入れている治療についてだったり、より細かい診療科について説明をさせていただいていますので、読んでいただくとこんな病気があるんだ! とか、もしかしたらウチの子当てはまるかも…なんて新たな発見が得られるかもしれません。
僕は猫診療のページを担当させてもらったので是非読んでいただけると幸いです。
今回はその延長で猫の健康診断についての話をします。
病気の治療するにはまず診断を行う事がとても大事です。
近年では病気の早期発見がとても大事とよく言われます。そのためには病気になってから病院に来るのではなく、健康診断のために病院を受診してもらうのをお勧めしています。
特に猫ちゃんは病気の症状を隠す事も多いので、病気が見つかった際には既に重症で…なんて事も健康診断を受けてもらうと防ぐことが出来るかもしれません。
ではどれぐらいの年齢の猫ちゃんが健診を受けるべきなのでしょうか?
アメリカの猫医療協会が発表しているライフステージガイドラインによると、全年齢の猫ちゃんで最低でも半年に1回の身体検査及び問診が必要と書かれています。もちろん個々の猫ちゃんの病歴や症状に応じて追加の検査が必要になります。
これは言い換えると、病院に来てもらって体重や体温を測ったり、生活の様子を聞かせてもらうだけでも病気が見つかる可能性があるということです。
必ずしも猫ちゃんが嫌がる事の多い血液検査や超音波検査をしなくても良いので、健康診断だけでも来て頂けると何か気付ける事があるかもしれません。また病院が苦手な子に対しては、来院時のストレスを軽減するお薬を先に処方して飲んでから来てもらう事もできますので、気軽に病院にお問い合わせして頂けたらと思います。
私ごとにはなりますが、先日catvocateという日本猫医学会が定めるプログラムを受講を終えましたので、猫の専任従事者の認定をいただけました!
これからもより多くの猫ちゃんが幸せに生活を送れるように頑張りますので、猫の事で困ったことがありましたら是非聞いてください!
2021.06.06
獣医師
こんにちは!
獣医4年目の鈴木です。
昨年、新しい手術室に関してのブログを書いてから、もう1年が経過してしまいました。
月日が過ぎるのははやいですね。
今月の獣医師ブログは、
「予防接種の完全時間予約」に関してご紹介をします。
もうご存知の方も多いと思いますが、
実は…
昨年11月より混合ワクチン、狂犬病予防接種、フィラリア・ノミダニ予防といった予防診療の時間予約ができるようになりました。
今のところ、土、日、祝日+月、水、金曜日の13時から18時の間15分間隔で行っております。
残念ながら獣医師の指名はできません。
ですが、決まった時間に来院していただく形ですので、
「病院が苦手!」
「他のわんちゃん、ねこちゃんが苦手!」
「待ち時間が長いと疲れてしまう!」
ような子にはオススメです。
3月から6月は狂犬病やフィラリア予防のシーズンです。この時期は特に、お待たせしてしまうことも多く、
「予防だけなのに、1時間も待った」
「会計まで結構時間がかかった」
なんて声もよく聞きます。
せめて予防接種のときだけでも、お待たせしてしまう時間を減らしたい…!
そんな思いでこの診察が始まりました。
時間内であれば、ワクチン、狂犬病、フィラリア・ノミダニ予防だけでなく、爪切り・耳掃除・肛門腺しぼりもできます!
また、ワクチン接種の前にはしっかりと身体検査を行います。五感を使って異常がないかどうか確認していきます。
視診では、元気さ、皮膚や皮毛の状態、ボディーコンディションスコア(太っていたり、やせていないか)の確認、口の粘膜色などを確認します。
聴診では、呼吸音に異常がないか、心雑音または心調律異常はないかを確認します。
触診では、身体に痛みがないか、リンパ節は腫れていないか、しこりはないか、脱水はないか、腹部を押して違和感はないかなどを確認します。その他、体重や体温などの確認もします。
身体検査で異常が見つかることも少なくありません。なので、予防の時くらいしか病院に来ないという子にとっては特に、身体検査は重要だと思います。
15分という短い時間ですが、みなさんの大事なわんちゃん、ねこちゃんの健康を守るために尽力させて戴きます。
ぜひぜひご利用下さい!
普段の診察ではお待たせしてしまうことも多いですが、予約診療はほぼ時間通りに、お待たせしないように尽力しております。
なので、予防の時間に間に合うように、ぜひ少し早めにお越しください。
個人的な話になりますが、
約3年前に拾ったときはちんちくりんだった、うちのこねぎちゃんも大きくなりました。甘えん坊です。親バカですが、イケメンで、すっっっっごくかわいいです。
これからも大事にしていきます。
拾った当初
今現在
2021.06.06
獣医師
こんにちは
もりやま犬と猫の病院の獣医師の江場です。
お花見シーズンも過ぎ、とても過ごしやすい気候になってきました。
季節の変わり目は人も動物も体調を崩しやすいので、皆さん風邪などひかない様に気をつけて下さいね。
今月から当院に新たなスタッフ達が入社してきました。
やる気と希望に満ちている彼らを見ていると、自分が入社した時の事を思い出します。
若い彼らに負けないように、僕もこれからも初心を忘れずに診療に当たりたいと思います!
さて、まだ春なのに少し気が早い様に思えるかもしれませんが、今日はわんちゃん猫ちゃんの熱中症についてお話ししたいと思います。
人と同じようにわんちゃん猫ちゃんも熱中症になることがあります。
春なのに熱中症?と思われるかもしれませんが、季節の変わり目で気温差が大きい春は意外に危ない時期でもあります。
熱中症は、体温上昇とともに脱水によって血液が濃くなり、血圧低下を起こしショック状態に陥る事があります。
パグやフレンチブルドッグなどの短頭種で特に多く起きやすく、対処が遅れると命に関わる非常に危険な病気です。
まず、1番わかりやすい症状として、夏の暑い日などに体温が急上昇すると体の熱を下げるために『パンティング』と呼ばれるハァハァと口を開けて激しい呼吸をします。
これが見られたら要注意です!
また、体温の急上昇とともに以下のような症状がみられる場合は熱中症の可能性があり、速やかに対処が必要です。
・よだれをダラダラ垂らす
・落ち着きがない様子
・ぐったりしていて、元気がない
・横になって起き上がれない
・舌や口の中の色が普段よりも赤い
・水を飲まない、食べない
・ボーッとしている、フラフラする
まずはこれらの症状がないか確認することが、熱中症を見分けるポイントとなります。
初期症状に早く気が付くことが大切で、軽度の場合は体温を下げる応急処置で回復が期待できます。
しかしすぐ回復した場合でも内臓や脳の機能障害など、実際には目には見えない身体の中での異常が起こっている事もあります。
さらに時間が経つほど悪化していき、最悪の場合は命に関わる事もあります。
熱中症は、飼い主さんが犬の異変に早く気が付くこと、そして素早く対処を行うことが大切です。
適切な処置や治療が行われないと大変危険なので、熱中症の症状がみられたら、まずは慌てずに当院へご連絡をお願いします!
また、まだ涼しい春のうちに夏場の過ごし方やお世話の工夫など、色々と準備をしておく事も大切です。
具体的にどうしたらいいかわからない・どういう事に気をつけたらいいのか知りたい等、疑問や不安な事がありましたら、いつでも気軽にご相談下さい!
2021.05.31
獣医師
年中無休・夜間対応